進化し続ける「日産GT-R」2015年モデルの味付けは (1/3ページ)


GT-Rはレーシングかグランドツーリングか

2015年モデル(MY15)のR35GT-Rに試乗。MY14(2014年モデル)との違いは何か?
初代スカイラインGT-Rが目指したレーシング、レーシングからグランドツーリングへと消化した第2世代スカイラインGT-R。歴代モデル鑑み現行R35型GT-RMY15神髄を見極める。0283-1

思い返せばGT-Rの歴史は、「R=レーシング」と「GT=グランドツーリング」両方の高みを目指すがゆえの、振り子の歴史だったのかもしれない。

ハコスカと呼ばれた第1世代。GT-Rは4ドアでデビューし、後に2ドアハードトップへと進化した
ハコスカと呼ばれた第1世代。GT-Rは4ドアでデビューし、後に2ドアハードトップへと進化した

もっとも、原点=第1世代(PCG10型スカイラインGT-R)に立ち戻れば、ロードカーのパフォーマンスに必ずしもRらしい性能が現れていたわけではなかった。そこにあったのは、Rへの扉、もしくはRに至る痕跡のようなものだったのではないだろうか。
物理的な存在として、例えばS20型2リットル直列6気筒DOHC4バルブエンジンのように、R的な具象は存在したとはいうものの、「R」の正体といえば、実に観念的なものであった。

第2世代GT-Rは、グループAレースで勝つために開発されたRB26DETT型エンジンを搭載したR32型から、R33、R34とモデルチェンジ
第2世代GT-Rは、グループAレースで勝つために開発されたRB26DETT型エンジンを搭載したR32型から、R33、R34とモデルチェンジ

「グループAレースで勝つ」というという正に「R」を念頭にエンジン開発などが行われた第2世代(BNR32型スカイラインGT-R)においてもまた、ピュアな「R」に関してはやはり観念の範疇から抜け出せなかった。せいぜいそれは、グループAというカテゴリーの性質上、スタイリングが市販車とさほど変わらず、愛車と同じ形がサーキットで大活躍しているという実感程度のものだった。

純粋にパフォーマンスという観点からすれば、そこには、大きな断絶があったのだ。RB26DETT型2.6リットル直列6気筒DOHCターボエンジンは、600psに耐え得る仕様・基本設計であったとはいうものの、ツルシの市販車には半分以下のパワーしか与えられなかったのだから当然である。
GT-Rにおける「R」の意味合いが、より観念的に昇華し変質したのは、BNR32の後のBCNR33、そしてBNR34においてであった。もはや、ロードバージョンに「R」の香りはあっても、匂いはなかったからだ。それは、スカイラインの延本流は「ストリート」にありR35が進む革新のベクトル長線上にあって、あくまでも、GTの「レボリューション」であった。