スーパーGTに参戦したSARDのマシンとコラボしたキャラクターも登場


レアなクルマでもしっかりカスタマイズ
DIYとアイディアでハイレベルな作り込み

クルマ好きというとスポーツカーや旧車とかに乗っているイメージもあるが、本来は車種など関係ないもの。
どんなクルマでも乗ることや手を掛けたりすることを楽しんでいれば、立派なクルマ好きといえるだろう。
その立ち位置を実践しているのが痛車乗り。

流行とか人気とかのモノサシではなく、自分の乗りたいクルマをベースにカスタムする傾向がある。
それゆえ痛車のベースモデルは、じつにバラエティが多い。

さて、痛車が痛車である証明というか、カスタムの特徴といえばボディに貼られたステッカー。
これにはカッティングシートから手作業でキャラクターや模様を切り出す「カッティング」と呼ばれる手法がある。
これは切り出すことはもちろん、貼り込むことも非常に手間が掛かるし技術もいるものだ。

印刷済みのカラーステッカーを貼る手法もイラストのレベル(描き下ろしとか)やデザインの凝り具合に意味があるし、それを評価する土壌もある。
それだけにクルマがドノーマルでも、貼り込みのレベルが高ければ痛車におけるカスタム度は高いと言うことでもあるのだ。ゆえに「ノーマルカーでもカスタム度」が高いという表現ができてしまうのであった。

そんなレベル高いカッティング仕様の見本が、KIRA sanのホンダ・ライフDUNK。
オール手切りのDIYカッティング仕様で元の絵は東方プロジェクトというコンテンツから。リアハッチは毎年秋に行われる東方プロジェクトの大規模イベントのキービジュアル。
カッティングはウインドに施す。

もう1台のカッティング仕様。ローゼンメイデンというアニメのキャラクターを表現するが、こちらは線の細さや衣装デザインの細かさがあるので製作も貼り込みも難易度は高いはず。 また、キャラクターだけでなくバイナルやロゴも合わせて製作。デザインセンスもいい。
ベースはパーツが少ない5代目アルトのワークスながらしっかりとカスタム済み。

浜木戸さんのサンバーに貼ってあるのは、初音ミクの派生バージョン「雪ミク」というもので、札幌の雪祭りに関係するコンテンツ。
毎年雪祭りのときにデザインが更新されている。浜木戸さんは毎年、このサンバーで札幌まで出掛けて雪祭りと雪ミクを楽しんでいる。旅費を浮かせるため車中泊が基本。そこで荷室をご覧ように部屋化しているが、流行のキャンパーといった立派なものでなくいい感じのチープさが魅力。
雪ミクのシートは業者に印刷してもらうが、イラストレーターへの絵の手配、貼り込み。そしてクルマいじりはすべてDIY。

三菱コルト・ラリーアートVer.R。ローダウンに競技車用っぽく見えるホイールにマッドガードという組み合わせは、WRCイメージで三菱というメーカーのクルマにあっている。
コルトってこんなにカッコよかったっけ?という仕上げだ。こういうスタイルに大きめのキャラクターステッカーとラインなどのデザインはスポンサーカラーをまとう競技車ふうでカッコいい。

貼っているのはアニメ「けいおん!!」の主要キャラである田中 律ちゃん。ボンネットの絵は劇中でもレアなカチューシャを外したときの姿。こういうレア絵は稀少パーツ的な存在ともいえる。スパルコのフルバケにディープコーンステアリング。ボスはラフィックスと外観に合った仕様。そしてブレないりっちゃん推し

サニトラ(日産サニートラック)、しかも珍しいショートボディがベース。
オーナーは黒沢さんで年齢はなんと20歳。エンジンはノーマルだがローダウンやフロントスポイラー装着。この方と言えばTS仕様アドバンカラーが有名。そのテイストもフロントフェンダーにしっかり入れている.若いのになかなかやるな、的な。

貼っているのはアニメ「ガールズ&パンツァー」。白いボディにゴールドホイールのエンケイ・コンペが似合う。

痛車オーナーは人と違うクルマを好む人も多い。
そのためスバル・トレジア(トヨタ・ラクティスのOEM車)なんかもいたりする。さりげなくホイールはスバルBRZ純正に変えてある。こういうスマートな小技はセンスいい。

ホンダ・アコードユーロRではなくトルネオユーロR。専用のボディパーツは皆無なので流用パーツでやりくり。4ドアセダンのGTウイング付きはツーリングカーレース風。
キャラクターをフロントに寄せたデザインも珍しい部類。

この日産S14型シルビアはNAのQ’sだが、走りも重視しているクルマ。
アンダーパワーのクルマには、アンダーパワーなりの面白さがあるということをわかっているチューニングを施す。ハイパワーに慣れすぎた上の世代より思考は柔らかだ。
このクルマもボディのステッカー製作や貼り込みはDIYでやっている。

注目度は高いし、展示イベントも多い痛車だけに「見せる技」にも長けている。
このトヨタ・クラウンコンフォートはベース車のイメージからタクシーふうに仕上げ、タクシー乗り場の案内板も自前で用意。貼ってあるキャラクターを紹介するPOPまで持参する。
初めて見る人でも、自分のクルマを楽しんでもらいたいと言う気持ちが出ている展示。ちなみにこちらも音声ライブラリキャラクターで名前は重音テト(かさねてと)。

現行車もけっこう多い。ホンダS660はゴッドハンドという模型用工具メーカーのオリジナルキャラ「ニパ子」を貼る。こちらもクルマがクルマだけの派手な外装は競技車っぽい。エンジンルームはほぼノーマルだが、カバー類をボディのデザインに合う色でカラーリングしている。

2014年のSUPER GTでSARDとコラボしていた「IA(いあ)」を貼る86。IAとはヤマハが開発したボーカロイドという音声合成技術を使ったPC用音声ライブラリの名称であり、イメージキャラクターの名前だ。印刷したカラーシートで車体全体を覆うフルラップという手法が使われる。ボディ色からキャラクターや世界観にあわせられるので表現の幅が拡がる施工法だ。

(レポート&撮影:深田昌之)

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