フォーミュラドリフト参戦マシンは市販車ベースで650馬力


エンジンを換装するなど中身は別モノ
「team DROOO-P」の86で検証

日本でも開催されているアメリカのドリフト競技イベント「FORMURA DRIFT」。
参戦マシンは身近な市販車がベースなのだが、その中身はいったいどうなっているのだろうか。
というわけで、『フォーミュラドリフト・ジャパン』に参戦するマシンをチェック。
“広島トヨタ team DROO-P(以下:DROO-P号)”協力のもと、林 和輝選手が操るトヨタ86に迫ってみた。

まずは、エンジン。このトヨタ86には、先代レガシィやフォレスターに使われるEJ25型2.5リットル水平対向4気筒エンジンを搭載し、2.6リットルへとボアアップ。大容量タービンを装着して、そのパワーは、なんと650psを誇る。
細かいレギュレーションはあれど、タービン交換や追加、排気量アップ、エンジン載せ換えは自由。レースにはクラス分けがないとはいえ、狭いコースではドライバーのウデが重要。決してパワーだけで勝つことができないのも見どころなのだ。

ドリフトの魅力は、強烈に深いアングルで横滑りする姿。よって、ステアリングのキレ角が重要となるため「DROO-P」号ではナックルやステアリングラックを加工し、市販車よりも大きな操舵角を実現している。

エアロパーツは、市販品の”DAREDEVIL”ワイドボディキットを装着。ガラスはアクリル製に交換(フロント除く)され、車重はノーマルより約200kgも軽量に仕上げられている。

ドリフトのきっかけを作るサイドブレーキは、純正のワイヤー式では高速走行時では全く効かないため、油圧式へと変更。
4ピストン×4パッド構造となるリヤブレーキは、キャリパー上半分の2ピストンをフットブレーキ用、下半分2ピストンをサイドブレーキ用と、使い分けしているのだ。

スピードと迫力あるドリフトを描くには、高剛性のホイールとハイグリップタイヤが必要不可欠。
DROO-P号のホイール&タイヤは、レイズ・グラムライツとダンロップ・ディレッツァZ2という市販品がセットされていた。なお、タイヤの空気圧は、熱で内圧が上昇するためかなり低く抑えられている。

コックピットをを見ると、油圧式サイドブレーキレバーの隣にあるミッションは、”ホリンジャー製シーケンシャル6速MT”を使用。
カーナビのスペースには、パワステの重さを5段階に変更するスイッチや、スロットル開度を調整するボタン、インタークーラーやオイルクーラーに水を噴射するウォータースプレイのスイッチなどが装備される。
ダッシュボードの形状は純正の面影を残すものの、まさに漢の仕事場となっているのだ。

トランクを開けると、なぜかクーラーボックスが鎮座。
競技の大半がアクセル全開に近いドリフトの場合、大敵なのが熱である。競技待ちの停車時が続いたり、夏場のレースになると高温になるのはガソリンも同じで、エンジンが吹けない原因になることも。
走行前にガソリンクーラーを設置したボックス内に氷を詰めていたが、レース後は見事に溶けていた。市販車と外観は似ているが、その中身はまったく別物のフォーミュラドリフト参戦車両。レース会場に足を運べば、自分の目でマシンを間近で見ることが可能だ。
なお、「広島トヨタ team DROO-P」は、2017年のフォーミュラドリフト・ジャパンに参戦中。
「マシンについてどんどん質問してください。意外に面白い話が聞けるかもしれませんよ!」とドライバーの林 和輝選手は笑顔で語ってくれた。

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