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46万kmスカイラインGT-Rエンジンの呪縛を開放する【BNR32不定期連載5】

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未来の50万kmを目指した施し
RB26エンジン本来の性能を引き出す

精密なバランス取りをした各パーツが、エンジンブロックと合体されていく。
しかし、ネジ1本の締め付けトルクも完全管理され、合わせる部分はすべて揃えられている。
クルマのチューニングというとパワーを出すイメージがあるが、日本語にすれば「調律」。ピアノもエンジンも繊細な調律によって、歪みのないサウンドを奏でることができるわけだ。
ピストン/コンロッド/クランクシャフトが固定され、あとはヘッドを載せる作業に移るかと思ったとき、燃焼室の容量をチェック。
シリンダーとピストンのスキ間に灯油を流し込んで計測するのだが、もし容量が均一でない場合はここまでの作業はすべてやり直しとなる。
燃焼室の容量が均一でなければ、気筒間の圧縮比にアンバランスが生じる。極端なことを言えば、あるシリンダーは低回転域でパワーがあり、ほかのシリンダーでは高回転域でパワーが出るということになる。
そんな状態では駆動をミッションに伝えるコンロッドは、不均衡な回転となる。当然のことながら、そのようなエンジンにスムースな吹き上がりは期待できない。
なによりアンバランスこそ、エンジンの寿命を短くする原因である。

ちなみに、今回のオーバーホールでは、ストリートユースをメインにしているため圧縮比はノーマルと同じ8.5に設定。圧縮比を低めにすればターボの過給圧を高めることができるので、低回転域のパワーやトルクは低くなるがピークパワーは出せるわけだ。

ノーマル仕様のエンジンでも
チューニングパーツを投入する意義

メタルガスケットは、チューニングエンジン用と思われがちだが、じつはノーマルエンジンでは高い耐久性を得るために採用される。さらに面追従性が高いので、シリンダーの気密性を確保できるのだ。
R32型〜R34型スカイラインGT-Rに搭載されているRB26DETT型直6ツインターボエンジンは、発売当時の280ps自主規制などから本来のパワーを発揮していない。表現は悪いが去勢されたようなものだ。
その原因の一つがカムシャフト。ここを少し作用角の大きなものに替え、オーバーラップを付けるだけでエンジンフィールは激変する。

今回はHKSのステップ1カムシャフトを採用。ノーマルコンピュータでも対応できる作用角256度だ。
バルブのシム調整も重要。一つずつ合わせていく。

こうして組み上げられたエンジン。同時にフロントデフもオーバーホールを施し、失っていたイニシャルトルクが復活した。

基本的にはノーマルエンジンと同じ仕様なので、タービンは定番のR34型スカイラインGT-R用となりそうだが、「Kansaiサービス」ではHKS製GTIII-SSタービンをチョイス。メタルタービンを採用するため、純正のセラミックタービンより耐久性に優れているそうだ。

なお、「Kansaiサービス」では純正の冷却水とオイルのパイプラインを使えるように加工を施し信頼性を高めている。
ストリート走行のみということからブースト圧は0.9kg/cm2。最高出力は400psくらいなので、インジェクターは、そのまま純正を使用することになった。
近年流行のR35型GT-R用のエアフロとインジェクターを使えば、さらに精度の高い燃焼コントロールが可能となり、低速トルクが太くなり乗りやすくなることは間違いない。もちろん、それなりの予算は別途必要となるが・・・。

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