クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CUSTOM
  • R35GT-Rで起こりやすい3大トラブルと対策法
CUSTOM
share:

R35GT-Rで起こりやすい3大トラブルと対策法

投稿日:

TEXT:

  • GT-R

新車から9年半で走行20万kmに到達
初期型に起こりやすい故障とは!?

2007年12月の発売と同時に『GT-R Magazine』編集部にやってきた「日産自動車」R35型GT-R。現在の走行距離はすでに20万kmオーバーに達している。
前回はR35型GT-Rの弱点と言われることが多いGR6型デュアルクラッチトランスミッションのトラブルに関して報告したが、それ以外にも20万kmに至る過程でいくつかのトラブルを経験している。
ここではその内容を赤裸々に報告しよう!GT-R

まず最初に言っておきたいのは、R35型GT-Rが他車に比べてトラブルが特別に多いクルマというわけではない、ということ。価格のこなれ始めた初期型(2007年〜2010年モデル)の中古車をこれから手に入れたいと思っている方もいるはずで、ここで「R35=壊れやすい」といった先入観を植え付けるつもりはまったくないことをお知りおきいただきたい。

中古車を購入したとき修理履歴をチェック

さて、GT-R Magazine編集部所有のR35型GT-Rだが、これまでにメーカーが実施するサービスキャンペーンもしくはリコールで計3回、無償の部品交換を行っている。

  1. 2010年3月「ステアリングロックモーター」
    エンジンをオフした際に掛かるステアリングロックが再始動時に解除できなくなる可能性がある。
  2. 2015年3月「ステアリングコラムのロック機構」
    ステアリングコラムの調整ノブをロックしてもコラムにガタ付きが出る可能性がある。
  3. 2015年9月「ボンネットフードのポップアップアクチュエーター」
    衝突時にボンネットフードの保護者用ポップアップ機能が働かない可能性がある。

編集部のR35型GT-Rはいずれの不具合も経験したことはなかったが、中古で購入したという方は前オーナーが上記のサービスキャンペーンもしくはリコール交換を受けていたかどうか、日産の販売店で確認していただきたい。GT-R前回の記事では走行20万kmでトランスミッションを新品に載せ換えたことを報告したが、それ以外にも過去に交換した部品がいくつかある。

フライホイールハウジングのガタは
2015年モデルから対策部品を採用

まず、初期型でよく起こるのが「フライホイールハウジングのベアリング」にガタ(遊び)が出るというトラブル。
これはエンジン本体の後方にあるフライホイールハウジング内の支持ベアリングがスラスト(前後)方向にガタついてしまうという不具合。そのままでも走行できてしまうのだが、あまり酷くなるとエンジン本体のクランクシャフト支持部やトランスミッション側にも影響を及ぼす可能性がある。GT-R

ガタの有無はハウジング本体を降ろさないと確認できないが、停車中のアイドリング時に足もとから「カラカラ音」が出始めたら危険信号。ディーラーやプロショップなどで点検を受けたほうがいいだろう。
編集部のR35型GT-Rは過去に2回交換した経験がある。初めは4万7000km走行時、2度目は16万1000km走行時である。R35型GT-Rのフライホイールハウジングはこれまでの年次改良(モデルイヤー)で何度か対策が施されているのだが、2015年モデル以降はベアリングの支持方式を変更しているため、従来のようなガタはほぼ出なくなっているという(2度目は2015年モデルの対策品に交換済み)。
走り方にもよるが、初期型はいずれガタが発生する確率が高い。5万km以上走行してまだ一度も交換したことがないという方は、足もとから発生する「カラカラ音」に気をつけてほしい。GT-R

GT-Rエンジンの後方に位置するフライホイールハウジング。円錐形の部品で、その見た目から通称「アポロ」とも呼ばれている。内部には支持用のベアリングとフライホイールダンパーが内蔵されており、初期型はその構造上、後ろ側のフランジ(プロペラシャフトと繋がる部分)にガタが出やすいのだ。

メーターとオーディオのトラブルは
走行距離無制限で7年以内なら保証対象

そのほかでは主に電装系のトラブルを経験。走行8万kmを超えたあたりでコンビネーションメーターパネルのLED照明が部分的に切れる症状が発生(タコメーターの0〜4000rpmあたり)。
加えて、AVユニット(オーディオ)のスイッチ不良も発生。高速道路を走行中、スイッチに触れていないのにオーディオのボリュームが勝手に上下したり、カーナビの設定ボタンが一部効かなくなるという症状だった。両者ともにディーラーにて無償交換(メーターパネルおよびAVユニット本体)してもらったのだが、これはどちらも5年もしくは走行10万km以内の新車特別保証とは別に、新車から7年以内であれば走行距離無制限で特別保証対象となる部位。それだけトラブル例が多いということだろう。GT-R聞くところによると、特にサーキットなどで全開走行している個体に起こる確率が高いらしい。メーターパネルやオーディオユニットなどがエンジンルーム内の熱の影響を受けるために発生するのかもしれない。2011年モデル以降の後期型ではあまり聞かないトラブルだが、初期型オーナーは注意したほうがいいだろう。

GT-R同じく、センタークラスターにあるセットアップスイッチ(ダンパー/トランスミッション/VDC-Rの切り替えスイッチ)のLEDも部分的に切れてしまった。これは走行15万kmを過ぎたあたりで発生したトラブル。ちなみに、バックライトが点かないだけでスイッチ操作自体は操作可能だった。
いずれも10万km以上走ればどんなクルマにも起こりうる類のモノで、R35型GT-R特有というわけではないが、これから走行距離を延ばしていった際、こういったことが起こる可能性があるということを念頭に入れておいたほうがいいだろう。GT-R電装系では、上記以外にエアコンの不具合も発生。症状としては、エンジンを始動した際にエアコン関係のスイッチがすべて反応しなくなり、強めの送風が出っぱなしになる、というもの。スイッチが効かないため、送風を止めることもできなくなる。
実は、現在もたまにこの症状が出るのだが、炎天下で屋外に長時間駐車して車内温度が上がった時に起こりがち。以前はセンタークラスターの横を手で「ドン」と叩くと復活したが、最近は一度発生すると車内が冷えるまで(夜や翌朝まで)直らないことが多くなった。
恐らくエアコンのアンプ不良だと思われる。近々部品を交換する予定なので、その後の経過など詳細は次号のGT-R Magazine 135号(2017年6月1日発売)を参照してほしい。

ラジエータやオイルクーラーの液漏れに注意

電装関係以外の大きなトラブルとしては、高速道路を走行中にラジエータのパンク(水漏れ)を経験。フロントガラスにポツポツと細かい水滴が付いたため、「霧雨かな?」と思った矢先、エンジンの水温が急上昇してメーターパネル内に「エンジンシステム異常」の警告メッセージが点灯。マルチファンクションメーターで水温を確認したところ、なんと130℃を突破していた! すぐに車両を安全な場所に停車し、積載車で「NISMO大森ファクトリー」に搬送。診断してもらったところ、ラジエータ・アッパータンクのカシメ部分からクーラントがダラダラと漏れていた(幸いエンジン本体にダメージがなかった)。

過去にも他の個体で同様の症状があったとのことなので、R35型GT-Rで走行10万kmを超えてきたら注意が必要となる部分かもしれない。
また、運転席側のフロントバンパー内にある純正オイルクーラーのパイプも走行12万kmでカシメ部分からオイル漏れが発生。クーラントおよびオイル漏れは気付かずに走行を続けるとエンジン本体に甚大なダメージを及ぼす可能性があるので、日頃からディーラーなどで各部に漏れ等がないかをしっかりと点検・診断してもらいたいものだ。GT-R以上、新車から20万kmまでに編集部のR35で経験したトラブルをざっと列記したが、これを多いと見るか否か!? 担当者の所感で言うと、「少ないほう」だと思う。R35型GT-Rは初期型のノーマルでも500ps級のハイパフォーマンスカーであること(現行の2017年モデルは570ps)、取材などでプロドライバーが何度もサーキットで全開走行を行ったことなどを考えると、この程度のトラブルで20万kmを乗り切ってきたこと自体、驚き以外の何物でもない。
エンジン本体に関しては一切トラブルの経験がないし、まったく衰えを感じさせないボディ剛性の高さもR35型GT-Rが「特別なクルマ」であることを物語っていると思う。
今後も30万km、40万kmを目指して日々運行していくつもりだが、何かしらのトラブルが発生した際には今後も『GT-R Magazine』の誌面で逐一レポートしていくつもりだ。

(レポート:GT-R Magazine編集部)

【関連記事】

すべて表示

 

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS