7.7リッターのダウンサイジングエンジンとは?三菱ふそう大型トラック『スーパーグレート』速攻試乗記 (1/2ページ)


エンジンやボディの大幅な軽量化で
環境性能を高め輸送コストを下げる

「三菱ふそう」の大型トラック『スーパーグレート』が21年ぶりにフルモデルチェンジを果たした。
迫り来る燃費規制や厳しくなる一方の排気ガス規制に対応しながら、大幅な軽量化を達成したのが最大の注目点だろう。スーパーグレートキリッと吊り上がったヘッドライトが精悍なイメージを与える新型『スーパーグレート』。写真は空力パーツなどを装着したパフォーマンスパッケージだ。

後輪をシングルタイヤ化して軽量化

新型スーパーグレートの軽量化を実現したのは、エンジンの刷新と後輪のスーパーシングル化。従来のダブルタイヤと呼ばれる片側2本構成からタイヤの幅は太いが1本化のほうが軽くできる。スーパーシングルタイヤはオプションで、ミシュランが発明。他のタイヤメーカーも追随している。スーパーグレード

排気量が異なる2種類のエンジンを設定
従来モデルより単体重量は最大500kg軽い

エンジンは排気量の異なる2種類を用意することで、幅広い要望に応えられるものとなっている。
どちらも直列6気筒ながら、排気量の7.7リットルの軽量ダウンサイジングエンジンと10.7リットルでは、その目的が大きく異なる。スーパーグレート

現場からの要求によって実現した、7.7リットルのダウンサイジングエンジンは(上の写真)、最高出力は354psと380ps仕様を用意。従来の12.8リットルエンジンと比べておよそ500kgも軽量に仕上がっている。
その分、より多くの荷物を運べるので、実質的に燃料や高速代などの輸送コストの削減、ドライバー不足をカバーできることになる。もちろん、ダウンサイジングでも走行性能をしっかりと確保すべく、2ステージターボや高圧コモンレール式燃料噴射装置などの最新技術が投入されている。スーパーグレート

10.7リットルエンジン(上の写真)は、とにかくパワーがほしいという事業者向けに用意されたものだが、それでも従来の12.8リットルエンジンより約150kg軽量化されており、その分積載性は向上している。もちろん燃費や排ガス規制への対応も進んだ。最高出力は360psから460ps仕様まで4種類が設定されている。

トランスミッションはAMT(自動変速MT)のみ

スーパーグレート

さらに大英断を下したのが駆動系の内容だ。今回から用意される変速機(トランスミッション)は12段のAMT(自動変速式MT)『シフトパイロット』のみという設定。
通常のMT(マニュアルトランスミッション)のほうが燃費性能に優れるというイメージをもっている事業者もまだ根強いが、実際の燃費性能やドライバーの疲労軽減効果に優れたAMTの良さを説明して、理解してもらう方針だと言う。

AMTの変速段数は従来モデルと同じ12段だが、多くの乗用車に搭載されているトルコンバーター式ATのようなクリープを発生させて低速時のアクセルコントロール性を向上させている。セレクタースイッチを左コラムレバーに備えるあたり、メルセデス・ベンツの乗用車みたいだ。
ミリ波レーダーを使った安全装備を充実化

スーパーグレート先進の安全装備も注目で、前方の停止車輌や障害物、歩行者などをミリ波レーダーが検知して(上の写真)衝突事故を防ぐ自動ブレーキのほか、左折時の巻き込み事故を防止するよう左側面にもミリ波レーダー装置(下の写真)を搭載している。ボディ左サイドにある120度の範囲で検知できるミリ波レーダーをふたつ組み合せ、左折時などに巻き込み事故の可能性があればランプで警告する。

スーパーグレート

以前から搭載されているふらつき警報に加え、ドライバーの目の動きを監視する脇見運転やいねむりの警報も新装備。オートクルーズも前走車に一定の車間距離で追従していくようになった。
このところ、大型トラックに対する安全装備については法律面、税制面、世論、ドライバー側、運輸業界や企業側からと、あらゆる方向から要求が高まっている。この新型スーパーグレートでは、一気に高級乗用車並みの運転支援システムが備わったのだ。
スーパーグレート

ダッシュボードは、見やすく運転のしやすさを第一にデザイン。フロアはフラット化されて、車内の移動もしやすくなった。シフトレバーはコラム左側だ。
スーパーグレート左が高床タイプで右が低床タイプのシャシー。パフォーマンスパッケージにオプションのスーパーシングルタイヤを選べば、更に軽量化が実現できる。

ヘッドライトは2種類用意。プロジェクターランプ(写真右)と、省電力で配光特性や色温度なども改善された明るいLEDランプ(写真左)を設定した。スモールランプを印象的なものとしたシグネチャーランプも組み込まれる。