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【チューニングカー今昔物語】クルマ作りがそもそも違う!

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GT-Rトップチューナー3人に聞く
20年前と今のチューニング界の違い

 

計測機器の進化により幅広い調律が可能に!

kansaiサービス
向井敏之代表

向井敏之代表

昔は扱いづらいのがチューニングカー。そういうのを乗りこなすのがステータスでした。でも、多くのお客さまの話を聞くと本音は「高性能で乗りやすいほうがいい」でした。

その時代の変化をいち早く感じていましたので、20年前に現在の場所に移転するときに、テクノパークと打ち出し、「自分たちでできることは何でもやろう」と4輪シャシダイやショックオーバーホール機器など計測できる最新設備を整えて、正しく診断、測定することを考えました。

最新の機材を導入したことで、データを残し、正しい情報を出す。そして、そのデータをもとに作業、セットアップすることで、より質の高いクルマに仕上がります。

 

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20年前は培った技術をR33に投入し、最高速や加速テストにチャレンジし、数々のレコードを樹立したkansaiサービス

 

また、使用するパーツも昔と見た目も値段も変わっていませんが、中身の精度、構造は飛躍的に向上しています。プロフィール、素材も一段階レベルが上がっています。

 

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現在はサーキットのパフォーマンスを重視しているが、それ以上に力を入れているのがストリート。最速を追求しつつ、実用性も残すのがKansaiサービス流

チューニングのレベルが変わったのはセッティング機材の精度が高まったことに尽きます。
ただし、それも常に進化が必要で、R35型GT-Rなど新しい車種が出たときには、それに対応した新しいツールがないと何もできません。
つまり、よいクルマ作りには終わりがないのです。

Kansaiサービス http://www.kansaisv.co.jp/

自動車メーカーの進歩に驚きそのデータを第2世代に

トップシークレット
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永田和彦代表

規制前も規制後もハードに走る人たちがやっているチューニングの内容は何も変わっていませんね。
平成7(1995)年ごろは、パワーを追い求め、ゼロヨンに明け暮れていました。R32〜R34型のスカイラインGT-R(第2世代GT-R)が搭載していたRB26DETTエンジンを限界まで追い込んで、壊れては直し、データを取ることでクルマを熟成させる。
その手法は今と全く変わっていません。

スカイラインGT–Rの場合、最初は純正コンピュータでセッティングしていましたが、純正ロムの書き換えでは狙った性能が出なかったため、直ぐにHKSのF-CON V Proに変更。第2世代GT–Rはほとんどそれだけでセッティングを行ってきました。

 

 

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1990年代中ごろはドラッグ一色だったトップシークレット。エンジンのパワー一点張りで、ほかのことはあまり考えていなかったそうだ

ただ、R35GT-Rが出てからまた純正コンピュータに戻しています。当社でF-CON V Proを考えるのはドラッグレースとか、競技に参戦するような特殊な場合のみ。ストリートなら間違いなく純正ベースがいい。1000㎰を超える2台のデモカーも純正書き換えです。
とにかく制御の幅が広く、しかも純正ならではの扱いやすさ、フレキシブルさがあります。

 

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今は、サーキットで理想を追い求める! 「トータルバランスを重視するのも昔との違いですね」と永田代表

また、R35GT-Rのコンピュータを解析したことで、中間域のもたつきがなくなるような新しいセットアップの方向性も見つかりました。このデータは第2世代Rにもフィードバックしています。
R35GT-R用の純正エアフロや純正インジェクターを第2世代GT-Rに使うことも非常に有効です。R35GT-Rは自動車メーカーの技術レベルの高さを思い知った1台ですね。

また、ブレーキも昔は何でも大きくすればいいと思っていましたが、今はキャリパー/ローター/パッドのバランスを取ることが重要ですね。

昔はどこか片寄っていましたが、今はトータルバランスが大切。R35GT-Rと出会ってそれを知りました。

トップシークレット http://topsecret-jpn.com/

技術の進歩だけでなく技術の積み上げも大切

ATTKDオーテック
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塚田晴良会長

20年前と今を比べると、チューニングカーも良い意味で普通のクルマになったな、と感じます。
特に部品の作り込みがよくなったのと、ある程度自由な作り込みができるようになったので、サスペンションは速さを満たしながら、しっとりとした乗り味になっています。マフラーもサウンドこそ控えめですが、それでいて性能は断然上ですから、技術の進歩はすごいなと思います。

サーキットのイメージが強いオーテックだが、BNR32型スカイラインGT-Rが現役時代は最高速に挑戦。今も基本的な方向性は変わっていないが、チャレンジ精神は忘れない

サーキットのイメージが強いオーテックだが、BNR32型スカイラインGT-Rが現役時代は最高速に挑戦。今も基本的な方向性は変わっていないが、チャレンジ精神は忘れない

エンジンは昔よりレスポンス重視になりました。ただ、これは、技術の進歩ではなく、積み上げ。同じクルマを繰り返しやっていたら、今でも新しい発見があります。そうやって当社は速さを磨いてきました。
時代やパーツがどこまで進歩しても譲れないものはあります。

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レスポンス重視のエンジン作りは不変ですが、セッティングの自由度や部品の加工精度は飛躍的に高まっています、と塚田会長

ATTKDオーテック http://www.attkd.co.jp/

(本記事は2015年GT-Rマガジンをベースに作成しました)

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