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トラックのミリ単位ボディ修正を可能にした『ミラクル』

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  • トラック修理

CTスキャンのように事故車を精密計測
トラック修理の常識を覆す高精度修正

新型モデルでは、自動運転や運転補助システムが次々と実現、普及しているなか、トラックの修理の世界にも新しい波が訪れようとしている。そのひとつが「エムエスジャパンサービス」から6月1日より販売を開始する『ミラクル』だ。
これは大型トラックやバスのフレーム修正を世界で初めてミリ単位で修正しる多機能なリフト固定システム。え、それって当たり前じゃないの? と思うかもしれないが、トラックの世界でミリ単位の修正ができるということは画期的なことなのだ。トラック修理

『ミラクル(多機能リフト固定システム)』は、全長8mにもなるのフレーム修正機だ。顧客のニーズに合わせて5.5m~10mまでの6タイプの用意できる。写真のリフトの耐荷重は13tだが、オプションにて5t~60tまで対応ができる。

車検をパスできるだけの修理では不十分
安全デバイスの機能を失わない精度が必要

近年、高級車ならずとも自動ブレーキシステムやレーンキープシステムはもとより、さまざまな電子デバイス機能が増えてきている。カメラや多数のセンサーによって走行状況を正確に把握するためには、そもそも自車がどのような状況にあるのかしっかり把握することが重要だ。
だからこそ、事故の度合いの大小にかかわらず、きちんと機能を回復させるためには当然しっかり修理されていなければならない。走ればいい、車検にクリアすればいい、というレベルでは安全・安心に不安が残ってしまう。とくにスポーツモデルやスーパーカーとなればなおさらだ。

「エムエスジャパンサービス」ではもともと乗用車のフレーム修正のためのリフトやジグの普及を手がけてきたが、近年その修正精度は大きく進化。イタリア製の修正機、油圧リフト、補修用溶接機、工具などを取り扱うが、修理工場からの改善要請やジグ製作のリクエストあれば、迅速に対処することもしばしば。輸入商社としてのみではなく、自社オリジナルの商品開発も積極的だ。
これまで乗用車ベースの修正機やジグの開発・販売をしてきたが、「大型のSUVや中型トラック用」の修理機器への要望に合わせて手がけている。さらに最近の新車販売の納期が長くなっている大型トラックとなれば、その修理・修正へのニーズはなおさら高くなっている。

ところが、世界中を探しても次世代の大型トラックの修理に必要な、ミリ単位の正確・精密な修正機メーカーはなかったという。
そこで自ら作ることにして、開発したのが今回の『ミラクル』。ボディ左右の中心(センター出し)をしっかりセットした上で、修理部分を独自の「5次元(3次元+2次元)で計測し修正する。
このリフトの上でのトラックは、あたかもCTスキャンの検査結果のように車体を前後軸方向に何層にもわけて測定したり、固定したり、ミリ単位で細かく修正できるのが最大の特徴だ。

これまでフレーム修正作業といえば、損傷箇所を特定できたとしても、どこに・どのように・どの角度で・どのくらい力をかければ修正できるのか、わかりにくかった。長年の経験とカンをたよりに何度も試行錯誤しながら修理してきたのが実情だ。
しかも第3者による、しっかり修正されたかどうかの検査があるわけではない(いわゆる車検制度だけで修正レベルの度合いを判断するのは十分とはいいきれない)。制度上の課題も含め、なかなか「いい仕事」をしてもその成果が見えにくい修理だったわけだ。トラック修理

上の写真は、ミラクルの上で固定されたトラックのトレーラーヘッドを後部から撮影したもの。リフトは多数のパネルで構成され、ボディやフレームをポインポイントで測定・固定・修正できるのが特徴。ボディ中央の「ゼロ」基準点の表記ほか、パネルを支えるトラスのあちこちにはミリ単位のスケールが配してある。

ミラクルを使う人も育てて精度アップ

 

そんな状況を突破すべく開発された『ミラクル」の除幕式には、埼玉県川口市にあるエムエスジャパンサービス社屋で行われた。マルコ・スタチオーリ社長(一番左)が登壇し、弟のパチオ・スタチオーリ副社長(一番右)のほか、パーソナルスポンサーをしているスーパーGTでおなじみのロニー・クインタレッリ選手(左から2番目)も駆けつけ参加した。

人材不足はドライバーだけではない。修理する整備士もしかり。
加えてトラックやバス需要の増大に供給が追いついていないことによるトラック事故車の迅速かつ精密な修理は、時代の要請でもある。システムの開発・実用・普及が進めば、『ミラクル』はそんなさまざまな課題を解決する<奇跡>のツールになるかもしれない。

トラック修理同社ではミラクルの販売にあたり、安全かつ精密にしっかり活用してもらえるよう「MSアカデミー」と名付けて車体整備のマエストロを育成している。国内の拠点も順次増加、今年度には東南アジアで新たに4カ国でもアカデミーがオープンする。

エムエスジャパンサービス http://www.msjapan.co.jp/

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