機能美と肉体美、異なる発想を持つ
オーバーフェンダースタイルの2台
大阪の舞洲スポーツアイランドで開催された「スーパーカーニバル2017」といえば、ミニバン、ワゴン、ハイエース、Kカーに向けたドレスアップイベント。10月8日(日)、個性的にカスタムされたユーザーカーが全国各地から大集結し、エアロパーツ、シャコタン、オーディオメイクなど、それぞれの見せ場をアピールしていた。
そんな「スーパーカーニバル2017」の参加ユーザーカーのなかで、プリウスの集合体を発見。しかも、すべてが個性的かつ、エコカーらしからぬ異彩のオーラが放たれていた。
この集団の名は「Belief(ビリーフ)」。トヨタの30/50系プリウスだけで構成され、約50名のメンバーを抱える生粋のカスタム集団だ。チームのコンセプトは”俺達の信念”。プリウスをホンキで愛し、カスタムのジャンルも問わずにぞれぞれの個性がしっかりと尊重されている。
そんな「Belief」からは6台の30プリウスが参加。今回は、オーバフェンダー・スタイルを描いた2台をクローズアップした。
【徹底的に空力性能を磨き上げた”プリウスGT”】
ビス留めのオーバーフェンダー、大きくせり出したアンダーフラップ、バンパーやフェンダーに添えたカナード……。この”走り”を前面に打ち出したボディメイクは、じつは見た目だけのハッタリではない。
オーナーの”ヒゲさん”いわく、単純なきっかけで現在の仕様になったという。
「高速道路を走った時に、直進安定性やコーナーでの接地感がなくて、とにかく不安でした。そこで空力とボデイ剛性を煮詰め、”走り”に磨きをかけようと決めたんです。気づいたらこんな仕様になってましたね(笑)」。
数々の空力パーツを自作しては実走行テストを行ない、納得できる仕様が出来上がるまで約5年。ついに「ヒゲ流のプリウスGT」を完成させたのである。
エアロは「TRD」をベースに、大型のアンダーフラップとカナードを装着。
ヘッドライト下やバンパー開口部はブラックアウトし、フェイスにメリハリをつけた。
カナードやフェンダー、フィンスポイラーなども、すべてオーナーの”ヒゲさん”による作品。ダウンフォースだけでなく、ブレーキの冷却効果も発揮できるように設計されている。
リアまわりで存在感を見せる大型GTウイング。ウォッシャーノズルの穴を利用したり、ナンバープレート横にステーを追加するなど、徹底的に補強済み。
下り坂ではリアまわりの接地感が向上し、時速70kmでも体感できるほどのダウンフォースを発生する。
また、リアバンパー下のディフューザーも自作。フロア面は、レーシングカーにようにフラットパネル化されている。
レカロシートに施された、ユニークな仕掛け。
コレ、リクライニング調整ダイヤルを取り外し、12mmのソケットを溶接加工。そこにラチェットを取り付けて調整するという、なんともワザありな裏ワザ。
スペースが少なく、調整しにくかったリクライニング動作が簡単にできるようになったとか。