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SUBARUでも販売された悲劇のOEMモデル「ビッグホーン」

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  • ビッグホーン いすゞ OEM スバル 絶版車

SUBARUの息吹は投入されないまま
淘汰された「スバル・ビッグホーン」

“OEM”とは、他社ブランドの製品を製造することや、他社製品を自社ブランドで販売するという意味。
自動車業界では後者で使われることが多いが、「SUBARU」にも数々のOEMモデルが投入されてきた。最近では、トヨタとダイハツから軽自動車やコンパクトカーが供給されるようになり、単なるバッジの付け替えではなく、SUBARUらしいこだわりを込めたモデルに仕上がっている。とはいえ、人気のほどは……だ。
さて、ここでは悲劇のOEMモデル、『ビッグホーン』を紹介しよう。

ビッグホーン いすゞ OEM スバル 絶版車

本家いすゞのビッグホーン「イルムシャー」。イルムシャーがチューンした足回り、レカロシート、MOMOのステアリングを装備。平成14年に日本国内向けの製造終了とともに絶版となった。

スバルからは、これまでさまざまなOEMモデルが生まれ消えていった。
「他ブランドからバッジを付け替えただけのモデルはスバルではない」と言う人が多いが、商売を考えると車種ラインアップの少なさをカバーする必要もあったのだろう。さて、『ビッグホーン』といえば「いすゞ」のフラッグシップSUVであったことはご存知だと思うが、じつはスバルにも「同じ名前」でOEM供給されていた。
1980年代、日本で巻き起こった「RVブーム」。その中心にいたのがフレーム式のクロカンAWDで、三菱・パジェロ、トヨタ・ハイラックスサーフ、日産テラノなどだ。オンロード性も考慮された走り、乗用車並みの豪華装備、パワフルなエンジンなどを採用。バブルの勢いも相まって高価格ながらもバンバン売れた。

そんなRVブームに当時のスバルはまったく乗ることができなかった。
乗用AWDのパイオニアではあるものの、当時人気を博したフレーム式のクロカンAWDはラインアップなし。自社開発するほどの余裕はないが欲しい……、そこで当時資本提携を行なっていた「GMグループ」から調達することを考えた。
ということで、白羽の矢が立ったのが「いすゞ」であった。
かつては、トラヴィック(オペル・ザフィーラのOEMモデル)のようなスバル味が盛り込まれていたのに対し、『ビッグホーン』はエンブレムが”SUBARU”に変更された以外は変更なし。本当に売る気があったのかと勘繰りたくなるが、車名もそのままというありさまだった。ビッグホーン いすゞ OEM スバル 絶版車

 

【初代スバル・ビッグホーン】
初代は1988年に登場し、いすゞ版で最も人気だった「イルムシャー」が供給。
エンジンは2.8ℓ直4ディーゼルターボのみだが、ボディはロング/ショート、ナローフェンダー/ワイドボディ、ワゴン/バンと充実したラインアップを誇っていた。あまり知られていないが、スバルのカタログモデルのなかで「レカロシート」初採用のモデルだったのである。

ビッグホーン いすゞ OEM スバル 絶版車

 

【2代目スバル・ビッグホーン】
ベース車のフルモデルチェンジに伴って1992年に登場した2代目。
いすゞ版ではフラッグシップモデルとなる「ハンドリングbyロータス」のみの供給だった。ボディもロングのみとなったが、エンジンは3.2ℓV6ガソリンと3.1ℓ直4ディーゼルターボの2タイプが用意された。ビッグホーン いすゞ OEM スバル 絶版車

そして、まもなく悲劇は訪れる。2代目OEM供給のわずか1年後、スバルといすゞの契約満了によって『ビッグホーン』の販売が終了。
販売期間は、2代を通して5年で販売台数もごく僅かであった。しかし、その後にフォレスターやトライベッカ、アセントとSUV専用モデルが生まれたことを考えると、”SUBARU”に何らかの影響を与えたモデルだったと推測できるかもしれない。

ちなみに、現在スバルの北米モデルを生産するアメリカ・インディアナ州にある「SIA(スバル・オブ・インディアナ・オートモーティブ)」は、元々はスバルといすゞの合弁で設立された工場。当時も”SIA”という名称だったが、呼称はスバル・イスズ・オートモーティブだったのである。
『スバル・ビッグホーン』、スバル魂は感じられなかったとはいえ、かなりレアな一台であることは間違いない。

(リポート:山本シンヤ)

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