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「中古福祉車両購入」で注意したい4つのポイント

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TEXT:  PHOTO: Auto Messe Web編集部

車いすのまま乗れるなど、移乗式福祉車両が必要となったとき、新車にするか中古車にするか悩むことだろう。新車は全国のディーラーで購入できるが、中古車となるとやはり流通する絶対台数は少ない。
しかし、福祉車両を積極的に扱う中古車店も増え、一般的な中古車店にも福祉車両が流通。ネットで中古車検索することもできるので、従来よりグッと買いやすくなっている。

その反面、福祉車両ならではの専用装備も多々あるので、とくに初めて中古車を購入する人はチェックすべきポイントはある。とくにあまり一般的な中古車店では、残念ながら福祉車両ならではの装備に関する知識が低いので自身で確認することが必要だ。

電動リフトアップシートは滑らかに動くか

高齢者などで短い距離は歩くことは、クルマの乗り降りが辛いという人に最適なのが助手席などシート自体が動くタイプ。
トヨタの福祉車両を例にすれば、助手席が回転、回転&スライド、チルトといった手動でシートを操作するタイプと、リフトアップシートと電動でシートそのものが車外まで出てくるタイプに分けられる。

手動で動かすタイプなら、固定すべきポジションでのガタの有無をチェック!このシートに座る人は、自身の身体を走行中の前後左右の揺れから支えるのも困難なケースが多いので、万一のことを想定すると小さなガタも心配だ。とくに胸部固定ベルトを使用するとき、シートにガタがあると疲労度も高まることだろう。

電動タイプのリフトアップシートは、シートをクルマから何度か出し入れしてみるといいだろう。このときスムースに動かなかったり、異音がするようなら故障や摩耗している部分が疑っても良いはず。
また、リモコンスイッチもすべてが正確に作動するかも要チェックポイントだ。

もしその判断が難しいときは、福祉車を扱っている新車ディーラーで新品時の可動状況を確認して比較してみるといいだろう。

ちなみにリフトアップシートは、その可動部が多いだけに故障や劣化があると修理費用はそれなりに掛かるという。しかも、ディーラーに修理を依頼しても、福祉系の部分に関しては経験値が低いので専門業者に依頼するなど、時間と費用は掛かる傾向にあるそうだ。
万一、使用中に故障してしまったときは、福祉車両協会(大きくは3団体)に加入している修理工場に相談してみるといい。

車いす仕様車はスロープの可動のほか
固定するロープ類も要チェック!

車いすのまま乗り降りできる「車いす仕様車」は、病院の送迎など短距離移動では介護する人への負荷も少なく非常に便利だ。
そのタイプもさまざまで、トヨタ・ハイエースのようなLサイズミニバンになると、車いすをリフトに乗せてそのまま車内に乗り込めるタイプもある。こちらは、デイサービスなど施設で利用されている例が多い。

意外に劣化しやすいのが、リフトを動かすプラスチック製の滑車。摩耗したり、割れたりしていると動きがギクシャクするそうだ。最悪、リフトを出したまま動かなくなってしまうケースもある。
また、リフトや車内にある車いすを固定するケーブルも要チェック。劣化して、鉄製ながらもほつれて切れそうになっている例が多いそうだ。

一般家庭で使うとすれば、ラゲッジからスロープを延ばして、車いすを押して(車内から電動ウインチの補助がある)乗車するというタイプだ。5ナンバーサイズのミニバンでも電動式スロープも選べる。
一方、コンパクトカーや軽自動車の場合は、スロープは手動で延ばすケースが多い。

電動・手動を問わずスロープ自体は何枚かの鉄板で構成しているので、接合部分の溶接などが劣化して外れていないかをチェック。
電動式は、リフトアップシートなどと同様に、リモコンで操作したときにスムースに動くかを確認してほしい。特に問題がなければ、作動音は静かで滑らかに動く。

いずれのタイプで共通しているのが、スロープの板は必ず完全に引き出してみること。もし、引っかかりがあったりすると故障の原因となるそうだ。

また、車いすを車内に入れるときのアシストをするウインチや車内で車いすを固定するケーブルの劣化も確認してほしい。

車いす仕様車の装備も前述のリフトアップシートのように一般ディーラーのメカニックにとっては特殊。故障したとしても、原因を突き止めるまで時間を要することが多いようだ。こちらも福祉車専門の修理工場で修理してもらったほうが費用を抑えられ、短い時間で済むという。

車高を下げて(ニールダウン)も維持できない

スロープ仕様車は、車いすのままでの乗り降りを容易にするため「ニールダウン」と呼ばれるリヤサスを縮める機能がある。スロープの角度を緩やかにするのが目的で、リヤサスにエアサスを使用したり、油圧ポンプを備えている。

ところが年式が古くなりリヤサスを縮める装置に不具合が生じると、スイッチで車高を下げても、その状態を維持できず車高が元の高さに戻ってしまうことがある。

チェック方法は至って簡単。車高を下げてしばらく様子を見るだけだ。故障している場合は、5分くらいで車高が上がってしまうそうだ。

なお修理費は、車種にもよるが30万〜40万円くらいとかなり高額だ。

専門店と中古車店で福祉車はどちらが安い?

かつては専門店でしか購入する術がなかった福祉車両の中古車は、インターネットが発達して一般的な中古車店でも見付けることができるようになった。

もちろん、福祉車両自体の流通量はここ10年くらいで増えてはいるが絶対量は少ない。
また、前述したようにさまざまな仕様があるので、必要としているタイプが必ずしも見付からないのが難点だ。流通量とすれば、リフトアップシート仕様が多く、スロープ式は少なめという。

さて、福祉車両の中古車価格だが、一般的な中古車店では、リフトアップ仕様は特殊なクルマというイメージなのかノーマル車よりやや安めの価格設定となるケースが多いそうだ。逆にライトな回転シート仕様は、見た目や装備がノーマル車と大きな差がないため車種ごとの相場価格レベルで販売されているようだ。

一方、中古福祉車両専門店では、その価格現象は逆転する。リフトアップシートの相場観は高めで、逆にライトな回転式シートは安めだ。

これは在庫の回転率の問題で、専門店にはリフトアップシートを必要とするユーザーが多く訪れるからだという。

ただ専門店のほうが、装備に対する知識はもちろん、福祉車両を必要とする人の状況を考慮したベストな仕様を勧めてもらえるというメリットは大きい。

また、病院などの送迎などがメインで走行距離が短くても、装備の使用頻度が高く、機械の傷みが酷いケースもあるそうだ。クルマとしては走行距離が短い方がお得のように思えるが、福祉車両には当てはまらないケースも多い。
装備の摩耗状態を推測するには、スロープ仕様車なら車いすを乗せるスペースのカーペットがひとつの目安。使用頻度の高いクルマは、車いすの車輪でカーペットが摩耗しているケースが多いそうだ。

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