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ボディ剛性を高めるタワーバーに「しなり」与えた理由とは

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TEXT: 雪岡直樹(YUKIOKA Naoki)  PHOTO: 雪岡直樹

クルマでも「柔よく剛を制する」は成立する

 クルマの補強といえば、さまざまな剛性アップパーツが存在するが、スバル車のカスタマイズパーツをリリースするSTI(スバルテクニカインターナショナル)が提唱する「フレキシブル系パーツ」は、ただ単に“固める”だけではなく、ボディに受ける力を“いなし”ながら、補強もカバー。柔軟性と剛性という相反するものを受け持つという不思議なパーツだ。

「フレキシブルタワーバー」は、2007年から発売を開始し、2018年12月には累計生産10万本を達成した大ヒット商品だ。

  一般的なタワーバーはスチールやアルミなどでできた1本のバーになっているが、フレキシブルタワーバーは、バーの中央部分に“ピロボール”と呼ばれる、金属球を使ったボールジョイントが組み込みまれている。このボールジョイントが、横方向から力が入った場合は従来通りに踏ん張って剛性を高め、段差を超える際など縦方向の力が入った場合には力を適度にいなすような構造になっているのだ。

 そのため、横方向の剛性を上げてコーナリング性能を上げつつ、縦方向の力はいなすことで乗り心地を悪化を抑えているわけである。

 またバーそのものにもこだわりが盛りだくさん。車種別に必要な剛性が計算され、ブラケットの形状・厚み、バーの厚みや他の補記類を避けるための凹み、しなり具合など、すべて、車種専用設計になっているのだ。これは車種によって必要な剛性が違うため、その車種に最適なしなり具合を計算。硬すぎず柔らかすぎない部分を狙った物としているからだという。

 またブラケットも、その最適な硬さを生み出すために、溶接も単に全面的にするのではなく、片方は溶接するが、片方は溶接しないなど、部位によって細かく溶接も変えていると言うから驚きだ。

「フレキシブルタワーバーは車種専用設計となっているので、仮に他車用が装着できたとしても、性能は十分には発揮されません。もともとの車体の剛性、重量、その車両の使われ方などを考慮した設計になっていますので、専用品を使っていただきたいですね」(STI営業部・篠田さん)。

 ちなみにフレキシブルタワーバーは、ドイツで開催されるニュルブルクリンク24時間レースで戦うスバルWRX STIや、SUPER GTで戦うBRZにも付いているパーツだ。

 基本的に、レースに使う車両が、重量増につながる無駄なものを装着することはない。機能的に意味があるということが、モータースポーツの世界でも証明されているのだ。また、レースで開発されたパーツが市販車の自分もクルマにも装着できるという、ファンにとって堪らないパーツでもある。

 

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