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プロドライバーの職場を改善する「働くクルマ乗り必見の最新シート事情」

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TEXT: 木村隆之(KIMURA Takayuki)  PHOTO: 木村隆之

トラックやハイエースへ”疲れにくいシートを提案”

 小さいサイズならハイエースから。さらにトヨタのダイナやトヨエース、FUSOキャンターやいすゞエルフに代表される小型トラック、日野レンジャー、いすゞフォワードに代表される中型トラック、もっと上ならば、いすゞギガやFUSOのスーパーグレートに代表される大型トラックに至るまで、日本の経済・物流を支えるトラック乗りの皆々様。荷物や人を運び続けるタフな姿には深く感謝したいものです。

 さて、そんなハイエースやトラック乗り=ドライバーを支える純正シートが意外にもプアな存在なのはご存知でしょうか。華美な装備は必要ないとはいえ、大阪オートメッセ2019では「RECARO」(レカロシート)が働くクルマ向けにシートを提案していました。

 クルマ好き以外にも、世界有数のビッグクラブが使用するプレミアムなスタジアムシートは世界16カ国、60ヶ所以上で採用。世界の自動車メーカーがハイパフォーマンスグレードに採用するレカロのシートですが、苛酷な使用状況が考えられるトラックの世界こそ、「いいシート選び」が重要と考えるのは当然な流れ。

 ただし、シートを交換しようと思っても専用品はかつて皆無。レカロでも乗用車用シートを流用するにはサイドサポートがドアやピラーに干渉、サイドサポートが高すぎて着座位置の高いトラックでは乗り降りが大変…など、乗り越えるべきハードルが意外と多かったのも事実だったのです。他にもアイポイントが高くなることで信号が見にくくなったり、ブレーキやアクセルに足が届きにくく太もも裏への負担も大きい…など様々なマイナス要素もありました。

 そんなデメリットを克服した「働くクルマ」での使用を最優先に考えたレカロの新型シート。大阪オートメッセ2019で取材することができました。

 新型「LX-F」は着座面のポジション、シートクッションの深さ、天井やBピラーとの干渉を解消した設計など、トラックとの相性を大幅にアップしたもの。シートの座面には合皮製の専用座面シートカバーも用意され、泥や水で汚れたズボンで乗り込んでも濡れた雑巾で拭けば簡単に落とすことも可能に。仕事の性質上、乗り降りの頻度が高く幾度も擦れることで痛みやすいサイドサポートや、座面を含めたシート素材には乗用車タイプに対して1.5倍~1.8倍もの耐久性を誇る生地が採用されているのも見逃せないポイントです。

 さらに長距離・長時間ドライブを強いられるドライバーにとって悩みのタネといえば「腰痛」。腰痛予防や疲労軽減をもたらすレカロの発想もしっかりと込められているのです。

 ちなみに、シートの強度も重要なポイント。タクシーの事例では、後部からの衝突で前席シートにお客さんが突っ込んでドライバーに多大な傷害を与えてしまったことも。そんな事例に関して、純正とレカロシートとの大きな違いは“リクライナー”の差が大きいという。レカロには座面に対するバックレスト(背面)の角度を変える装置=リクライナーが備わっており、三角形のレバーを回すと無段階に任意の場所でバックレスト位置を設定(日本ではワンタッチのレバー操作で即バタンと倒せるシートが好まれ、角度調整時のダイヤルを回す作業が面倒くさいと敬遠する向きもあるとのことだが・・・)。

 しかし、不意な衝撃を受けた際の強度面でリクライナーの差が命を左右するのは前述のとおり。デザインも大切だがシート構造にも興味を持つことは、日々、移動に命がけのプロドライバーにとって必要なのかもしれません。

 さて、大型トラックや欧州車ではシートの取り付け位置はフラットなのだが、日本で人気のハイエースはシート下が凹凸のある特殊なフロア形状のため、トラック用ではないシートを装着すると取り付けの関係上、視線まで上がってしまうという現象が。トラック専用シートの開発に当たり、衝突時の安全性をクリアしつつ、かつシートポジションが低くなるシートレールを開発。聞けば、純正比25mm~30mmは低く装着できるのだそうです。

 サイドサポートが低く乗り降りが楽、シート生地の耐久性が飛躍的にアップした上、長時間ドライブにも快適で腰痛対策もバッチリ! となれば日々の仕事での乗車にも気持ちのモチベーションだって格段にアップするハズ。

 毎日のようにドライブするトラック乗り=プロドライバーにとって、職場と言えるコクピット。ここでの快適さ、安全性はもちろん仕事の能率アップには絶対不可欠です。数多くの職人さんを支えるハイエースは当然のこと、仕事で使い倒すトラック乗りのみなさま、「シートの交換」を検討してみてはいかがでしょうか。

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