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車体がフワフワしたら疑うべき? サスペンションのダンパーが抜ける原因と症状とは

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

クルマを安定させる減衰力を発揮できない

 自動車に使われる「ダンパー」の仕事は大きく分けて二つある。ひとつは凸凹を通過したあと、いつまでも伸び縮みを繰り返そうとするスプリングの力を、オイルの抵抗力でそのエネルギーを吸収する仕事。もうひとつは、サスペンションのストロークスピードをコントロールする仕事だ。

 ダンパーは筒の中にオイルが満たされていて、サスペンションのストロークに合わせ、オイルの中でピストンが上下。ピストンに設けられた狭いバルブ(通路)を流れるオイルの抵抗を利用して、いわゆる「減衰力」を発生させている。

 しかし、減衰力=抵抗力を生むには、ブレーキと同じように発熱が伴う。簡単にいえばダンパーはサスペンションの運動エネルギーを、熱エネルギーに変換する装置でもあるため、使えば使うほどダンパー内のオイルが熱の影響で劣化し、減衰力が弱まってしまうのだ。

「ダンパーが抜ける」とは、こうしたダンパーの経年劣化によって正規の減衰力を発揮できなくなってしまったことをいう。では、ダンパーが抜けるとどうなるか。

・車体のふわふわ感、振動がなかなか収まらなくなる
・ハンドルを切ったとき、一気に大きくロールする
・ブレーキを踏むと、大きく前のめりになる
・サスが底突きする
・高速道路で、フロントの接地感が乏しくなる
・直進性が悪くなる(意外に影響を受けやすい)
・揺れが大きくなる

 といった感じだ。ただし、ダンパーの初期の抜け具合は、サスの縮み側では感じにくいかもしれない。伸び側の場合、例えば高速道路で前輪が浮いて頼りなくなってくる感じや、ブレーキ時のリアが浮いてくる感じなどが、比較的掴みやすい。

「ダンパーが抜ける」といっても実際にダンパー内のオイルが抜けてしまうことではなく、オイルの劣化や、摺動部のパッキンやシール類の劣化によるオイル漏れ、オイルにエアが混じって気泡になるキャビテーションなどが主な原因だ。

 ダンパーの劣化は徐々に進行していくため、毎日乗っている人は気が付きにくい。ダンパーがきちんとした性能を発揮してくれるのは、街乗りでも2万~3万kmぐらい。走り方にもよるものの、5万km以上も走っていれば賞味期限切れに近い状態と思って間違いないだろう。

 これは純正ダンパーもアフターパーツでもほぼ同じ。ダンパーは消耗品だと割り切って、前述のダンパーが抜けた症状を感じ出したら思い切って新品に交換してしまった方が、乗り心地も操安性もいい状態で走れる。

 ちなみにビルシュタインなど一部のダンパーは、使い捨てではなく、オーバーホールでリフレッシュも可能。こうしたダンパーは初期投資は少々高くつくかもしれないが、そもそも性能が優れていて、しかもオーバーホール可能となると、長い目で見ればリーズナブルといえるだろう。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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