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トヨタ「新型ハイエース」アイシン精機の新開発スライドドアモーターを採用

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TEXT: Auto Messe Web編集部

  • ハイエースのスライドドア

冠水地域を想定したシンプル構造

 自動車用パワースライドドアシステムで世界トップシェアを誇るアイシン精機。同社は、2月18日にフィリピンで披露された新型のトヨタ「ハイエース」に、新開発のパワースライドアシステムが採用されることを発表した。

 フィリピンを含めた東南アジア地域での販売も行なわれる新型の300系ハイエース。アイシンが新たに開発したパワースライドドアシステムは、スコールなどで道路の冠水が頻繁に起こる国や地域での使用を想定した設計だ。パワースライドのアクチュエータ

 具体的には、製品設計や取り付け方法の工夫により、システムの作動を制御するECUに水が被りにくい構造として耐久性を向上。さらに「風呂桶」から着想を得て開発したカバーは、シール材を使用せず、空気だまりを確保できる設計となる。また、路面冠水時の車両傾きを考慮し、ECUとモーターは高床式に設置。空気が入り水没しないモーターユニット

 子供のころ風呂桶を湯船に伏せて入れると中に空気が溜まることを経験した人は多いと思う。それを応用した、じつにシンプルかつ明快な構造だ。実物を見ても、モーターユニットの上に樹脂カバーを被しているだけなので、経年劣化による故障に対する不安も低いと言えよう。

風呂桶構造のユニットカバー

 また、ドアから受ける反力を低減する構造により、部品に作用する力の割合を従来品よりも小さくすることで、ドアハンドルを操作する際に必要な力を低減。女性や子供でも簡単にスライドドアが開閉できるようにしている。

 さらに、従来のハイエースではドア開・ドア閉で独立していたアクチュエータをひとつに統合することで、部品点数を軽減。スライドドア内の部品搭載性の向上と、車両重量の低減に貢献している。

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