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令和に語り継ぎたい名車「ユーノス ロードスター」が愛され続ける理由

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TEXT: 遠藤正賢  PHOTO: Auto Messe Web編集部

あらゆる面で初代への原点回帰が図られた

 今上天皇のご退位により、30年間にわたる平成の時代が、間もなく終わりを告げようとしている。

 その始まりとなった平成元年、1989年はのちに「ビンテージイヤー」と言われるほど、日本の自動車メーカーから名車が数多く誕生した1年だった。

 今回はその中からスポーツカーの1台、マツダのユーノス・ロードスター(NA)を、現在のモデルと比較しながらご紹介したい。

 1980年代当時は環境・安全規制の強化が相次ぐ一方、高度経済成長は依然として続いており、自動車もそうした時代を反映して、肥大化・高性能化の一途を辿っていた。そしてその陰で、かつてイギリスを中心に隆盛を誇ったライトウエイトスポーツカーは絶滅の危機に瀕していた。

 そんな中、1989年2月のシカゴオートショーで世界初公開された初代ロードスター(現地名はMX-5ミアータ)は大きな反響を呼び、7月末に当初の予定より前倒しされて全国46ヵ所で開催された国内の予約会では購入希望者が殺到。89年だけで全世界で3万5000台を販売し、世界中のクルマ好きから歓迎を受けた。

 今や「二人乗り小型オープンスポーツカー」累計生産台数世界一のギネス記録を持つロードスターが、現行4代目に至るまで常に継承し続けているのは、軽量コンパクトであること、低いヨー慣性モーメントと重心高、フロントミッドシップエンジンかつ後輪駆動、50:50の前後重量配分 、ダブルウィッシュボーン式サスペンション、パワープラントフレーム、容易に開閉できるソフトトップなどで構成される「人馬一体」のフィロソフィ。

 筆者は学生時代、運転免許を取った直後に初代ロードスターの1989年式、最初期のモデルを中古で購入している。940kgという車重の軽さとバランスの良さ、ソリッドなブレーキと5速MTのフィール、オープン専用モデルならではの開放感に加え、免許取り立てでも扱いきれる、全長×全幅×全高=3970×1675×1235mmというボディサイズの小ささ。

 120馬力&14.0kg-mの1.6リッターエンジンがもたらす適度な運動性能が心地良く、瞬く間にその虜になった。それがためにクルマ好き、オープンカー好きとなり、大学卒業後は自動車業界で仕事をするに至っているが、こうした経験を持つ人は私だけではないだろう。

 その後ロードスターは、ますます強化されていった環境・安全規制をクリアするため、若干ながらもボディサイズとエンジン排気量の拡大を続けていたが、2015年デビューの現行4代目は、ソフトトップ車のエンジン排気量を、北米以外では歴代で最も小さい1.5リッター(132馬力&15.5kg-m)に設定。また全長×全幅×全高=3915×1735×1235mmと、長さが歴代で最も短いボディサイズとなり、車重も最軽量モデルで1tを切るなど、あらゆる面で初代への原点回帰が図られている。

 だがもちろん、安全・環境性能は現代の基準を満たし、初代ではややチープさが見られた内外装の質感やシャシー性能は最新のマツダ車に何ら引けを取らない、極めてレベルの高いものに仕上がっている。

 ロードスターは30年前も今も変わらず、誰が乗っても楽しいライトウエイトFRオープンスポーツカーであり続けている。老若男女問わず一人でも多くの人に乗ってもらい、「人馬一体」の喜びを体感して、クルマ好きになってくれることを願ってやまない。

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