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羽後交通と日本郵便が貨客混載を実施、地方過疎化による労働力不足の救世主へ

投稿日:

TEXT: 山本 亨  PHOTO: 山本 亨

人流・物流の持続可能性を探るプロジェクト

 トラック運転手の人手不足はかなり深刻で、3月の引っ越しシーズンでは「シーズン料金として通常料金の10万円アップ」などという引っ越し運送業者もあった。そんな中、地方ではある取り組みがスタート。過疎化が進む地方では人手不足は一層深刻で、運送業のドライバー確保もままならない。一方では人口減少により公共乗り物の利用者が減り存続不可能になる路線も少なくない。

 そんな地方の深刻な課題を打開するべく秋田県で検討が始まったのは2017年8月。国土交通省(秋田運輸支局)、県、業界団体、バス会社、貨物事業者などが集まり「秋田県貨客混載プロジェクトチーム」を立ち上げた。人口減少による運転者不足と公共交通の利用者減少の相互を補えるよう、人流・物流の持続可能性を探るプロジェクトだ。

 2018年2〜3月には秋田県内の二箇所でテスト運行を開始。秋田中央交通(秋田市)では、男鹿市を走る男鹿北線(男鹿みなと市民病院→湯本駐在所)にて、ヤマト運輸と佐川急便によりそれぞれ実現に向けて実施した。また、羽後交通(横手市)では、本荘象潟線の日本郵便は、にかほ市象潟駅前→本荘営業所間を、佐川急便はその逆ルートとなる本荘営業所→象潟駅前間を実施することとなった。

 こうして行われた実証実験だったが、このうちの秋田中央交通の男鹿北線で行われたヤマト運輸と佐川急便、同じく佐川急便の本荘象潟線の3ルートでの取り組みは「ルートでのメリットが出ない」「荷受けなどの発着時刻が合わない」などの理由で試行期間で運用は見合わせとなった。

 しかし、路線バスに乗客と荷物も積んで一緒に輸送するシステムを本荘象潟線で運行開始。2019年2月14日より、本荘象潟線で行われていた日本郵便と羽後交通との取り組みは、ゆうパックなどを運ぶ日本郵便側の「省力化」の狙い、羽後交通側の「収益確保」にメリットが確認されたため本格運行するに至った。貨物事業者が効率的に配送可能となり労働力不足の一助にもなる一方で、安定したバス運行の収入が見込め地域貢献のイメージアップにもなる利点が見込まれる。

 貨客混載の前提条件には「荷物の積み下ろしの際に旅客にスペース・時刻などで支障が出ない」など当たり前とも言える事象があるが、羽後交通と日本郵便はこの点で「始発となる象潟駅発車前の象潟案内所にて荷物を搭載」し、「終点の本荘営業所で乗客が降車してから荷物を降ろす」手続きとなっている。

 この際、荷物の積み下ろし共に日本郵便の社員が行い、象潟駅を午後00時30分に出発し午後1時31分に本荘営業所に到着するまで、羽後交通側で荷物に手を触れることはない。運行実施は一日この時間帯の1本だけで、走行距離はおそよ32.5キロの区間となる。

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