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懐かしのクルマ装備、速度警告音「キンコン」を聞かなくなったワケ

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)

海外メーカーから批判を受けた日本独自の装備

 昭和の時代。特に50歳以上の免許保有者は高い確率で聞いたことがあるかもしれない。正体はクルマの速度警告音、一定のスピードが出ると発せられる、通称「キンコン」だ。普通車では100km/h以上(105km/h)で、軽自動車では80km/h以上で鳴るようになっていた。

 音質というか、感じとしては今のようなデジタル音ではなく、アナログなチャイム音。”キンコン キンコン キンコン…”という文字どおりの警告音が、スピードを出しすとインパネの裏から鳴り響いたものだ。字面からして、知らない方でもかなり耳障りな感じだと思うだろうが、人によっては不快に感じたのも事実。配線を切るツワモノも存在したが、じつは車検でチェックされた項目のひとつだった。

 装着の目的はもちろん、運転手へ速度オーバーを注意喚起するため。いまでは100km/hというと、ラクラク出る速度ではあるし、そもそも新東名や東北道では最高速度120km/hまで引き上げられている。昭和の時代は時速100km/hが壁だったクルマがあり、横滑り防止装置といった安全装備もなかったために”警告”する意味はあったし、キンコンが鳴り響くのはうざいと思いつつも、少しステータスな感じがあったのも確かだ。

 しかし、法律で義務付けられていた”キンコン”はいつの間にか消滅。昭和61年(1986年)に保安基準の項目から削除されたことで、自動車メーカーも装備することをやめてしまった。もちろん車検でのチェックも廃止されたのだ。

 その背景には、時速100km/hがラクラク出せるように自動車が高性能化したこと。また、もともと装備されていない輸入車では装着義務を強いられるなど、不合理として批判が高まったのも理由のひとつ。”キンコン”は日本独自のものであり、海外では使用されていない装備だったのだ。

 さらに、眠気を誘うためというのも理由として目にすることがあるが、実際に聞いたことがある身としては、逆にうるさくて目が覚めるものであったと記憶している。外圧によって廃止するというのが表立って言えないために、出てきた理由のような気もするのだが、いずれにしても復活することはないと言っていいだろう。

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