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話題性に富んだ2019年鈴鹿8耐レース! ヤマハ「TECH21」カラー復刻とカワサキ18年振りの参戦

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明

カワサキ26年振りの鈴鹿8耐優勝

 2019年7月28日(日)、オートバイによる三重県鈴鹿市で開催された”コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第42回大会(鈴鹿8耐)。梅雨の長雨、さらに台風6号が三重県を直撃するという波乱のレースウィークだったが、梅雨明けとなった決勝日はレース終了直前まで好天が続き、好バトルが展開された。しかし、レースは終了まであと1周という微妙なタイミングで赤旗が掲示され、大混乱となった。

 Kawasaki Racing Teamの復活で、メーカー直系のワークスチームがそろい踏みとなった2019年の鈴鹿8耐。カワサキの復活とともに大きな話題の一つとなったのが、ヤマハが、YZF-R1の発売21周年に合わせ、ファクトリーチームに1985年の「ヤマハTECH21チーム」の復刻カラーで出場したことだろう。

「TECH21」といえば、1985年から1990年まで鈴鹿8耐のヤマハ21号車のメインスポンサーを務めた伝説の資生堂の男性向けブランドである。6年にわたる鈴鹿8耐の挑戦だったわけだが、これが現在のヤマハのエースナンバーの起源でもある。

 5連覇がかかるヤマハのエースゼッケンに、あのパープルカラーが今年の鈴鹿8耐に戻ってきたわけだ。さらに21号車を駆る3選手の中でアレックス・ローズ選手は、1985年のTECH21号に平忠彦選手と参戦したケニー・ロバーツ選手のカラーリングを模したリスペクト仕様のヘルメットを使用。往年のファンも大喜びな一戦となった。

 ヤマハのファンブースでは、資生堂のTECH21商品やTECH21チームにまつわるアイテムなど、当時のTECH21グッズの現物を持ってくると、非売品の「ヤマハ8耐オリジナルTシャツ」が1000枚限定でプレゼントされるという企画もあって、多くのファンが30年以上モノを実際に持ち込むシーンも見られた。

 26日に行われた予選セッションでは、3メーカーが仲良く分け合う形でトップ3にヤマハ・カワサキ・ホンダが並ぶ。当初のスケジュールでは、翌27日に、予選セッション上位10台が再びそのポジションを競う「トップ10トライアル」に出走して最終グリッドが決定されるはずだった。しかし、前述のように台風などによる悪天候により中止となり、予選セッションでの順位が決勝レースのグリッドとなることが確定した。

 ポールポジションは、♯21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行/アレックス・ローズ/マイケル・ファン・デル・マーク/YAMAHA YZF-R1)。2番グリッドに♯10 Kawasaki Racing Team(ジョナサン・レイ/レオン・ハスラム/トプラック・ラズガットリオグル/Kawasaki ZX-10RR)。3番グリッドが♯33 Red Bull Honda(高橋巧/清成龍一/ステファン・ブラドル/Honda CBR1000RR SP2)というオーダーとなった。

 決勝レースは、前日の雨から打って変わって、強い日差しが降り注ぐ晴天となった。午前11時30分、伝統のル・マン式スタートで始まった8時間のレースは、まず#95 S-PULSE DREAM RACING . IAIがワークスを抑えてホールショットを奪う。オープニングラップは#1 F.C.C. TSR Honda Franceが獲るものの、#12 YOSHIMURA SUZUKI MOTUL RACINGがこれにとって代わり、とトップが入わっていくがこの12号車以後は予選トップ3通過の3台によるトップ争いへと変わっていく。

 レースはスタート後にいったんセーフティカーが導入されたのみで、それ以後はコース各所でコースアウトなどがいくつもあったものの、レースを中断するほどの大きなトラブルもなく、非常にクリーンな展開で進行。そして時間が経過して行きレース終盤になっても、トップ3のバトルはバチバチに続いていた。

 衝撃が走ったのが、レースも残りわずかとなった午後7時を回ったところからだ。コース上にはほんの少し雨が落ちてきていた。それも雨量というほどのものではなかったが、ここで3番手を走行していた21号車がハイペースで追い上げ、33号車をパスし2番手に浮上。

 さらにこのタイミングで、#2 Suzuki Endurance Racing Teamがエンジンブローしたままコースを走行。路面はさらに滑りやすい状況となったようで、このタイミングに各所で複数台のコースアウトが発生する中、トップを快走していた10号車のジョナサン・レイ選手も転倒。残り2分を切り、各チームともにあと1周というタイミングでの赤旗掲示となり、レースは午後7時28分に終了した。

 当初は2番手を走行していた21号車が優勝ということで暫定表彰式が行われた。これは、レースが終了して5分以内にフィニッシュラインを通過しなければならないという規則が存在するため、当初、10号車がフィニッシュラインを通過できなかったことから順位認定から除外された。しかし、#10 Kawasaki Racing Team Suzuka 8Hからの暫定結果に対する抗議を受け、赤旗の運用規則を再度厳密に精査し、”赤旗提示の1周前(216周)の順位を結果として採用する”という規則に則り、暫定結果を変更。

 結果、♯10 Kawasaki Racing Team(ジョナサン・レイ/レオン・ハスラム/トプラック・ラズガットリオグル/Kawasaki ZX-10RR/216周)が優勝。カワサキにとって1993年以来、26年振りの勝利だ。

 2位は♯21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行/アレックス・ローズ/マイケル・ファン・デル・マーク/YAMAHA YZF-R1/216周)、そして3位が♯33 Red Bull Honda(高橋巧/清成龍一/ステファン・ブラドル/Honda CBR1000RR SP2/216周)となった。また、鈴鹿8耐は、FIM世界耐久選手権(EWC)2018‐2019の最終戦でもあり、そのシリーズタイトルはTEAM SRC KAWASAKI FRANCE(145.5ポイント)が獲得した。

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