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絶対パワーの追求は終焉?! 日産GT-Rのチューニングは扱いやすさがトレンド

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TEXT: Auto Messe Web編集部  PHOTO: Auto Messe web編集部

ショップ連合体RH9が語る35型チューンの最新事情

 日産が世界に誇る国産スポーツカーGT-R。そのレースでの高い戦績などもあり、歴代モデルのオーナーはエンジンのパワーアップなど、“速さ”を追求するカスタマイズを求める傾向があった。特に、1990年代にはチューニングは流行。R32型、R33型、R34型の第2世代と呼ばれるGT-Rでノーマル280psを大きく上回る600〜800ps、サーキット仕様などでは1000ps超を発揮するエンジンチューニングを施す強者も数多くいたのだ。では、現行のR35型GT-Rではどうなのか? 日産GT-Rの祭典・R’s meeting2019(9月14日・富士スピードウェイ)に出展したチューニングショップの方々に聞いてみた。

パワー特性に実用域の扱いやすさを求める

 今回お話をお聞きしたのは、国産車を中心に長年チューニングを手掛けているショップの協同組合RH9合同ブースに出展した方々だ。

 まず、福井県を拠点とするフェニックスパワー代表の横山氏によると、「以前のようにR35GT-Rでエンジン内部までイジって、1000ps超という絶対的なパワーにこだわる方は減りましたね」という。

 「特に、前期型のお客様には最高出力は800ps程度までにし、その分街乗りなど実用域でのトルクが欲しいという方が増えました。高速域ではパワーの伸びはなくても、元々GT-Rは十分速いし、サーキットなどに行かない限り出せる場所はないということですね」


 「そういう意味では、最近ブリッツが出したR35GT-R用のボルトオンターボシステム(4862GTR-700R)は、市場のニーズにマッチした商品といえるでしょう。信号からのスタートやコーナーでの立ち上がりなどを重視した味付けは、弊社でも装着したお客様から好評です。パワーより乗りやすさ、そういったニーズが今のトレンドですね」。

ブレーキなど足まわりのチューンが増えた

 宮城県のプロショップ スクリーン代表を務める千葉氏も、はやり「とくかくパワー」というユーザーは減っているという。代わりに、GT-Rでも前期型(2007年〜2017年)だと生産されて10年以上経つ車体もあるため、「ブレーキなどをリフレッシュするニーズが増えています」という。


 そのニーズマッチし、近年人気が高い製品のひとつが、同社の関連企業であるD2ジャパンが製造販売するブレーキキットだ。軽量高剛性の鍛造キャリパーや大径ローターなどを採用するキットは、純正品よりもリーズナブルな価格であることもあり、GT-R用の需要も増加傾向だという。


 また、エンジンチューニングは、パワーを求めるよりもブーストアップなどに留め、車載コンピュータを最新データに書き換えるなどの需要も多いという。“速さ”より純正の良さなどを“最適化する”といった傾向が同社ユーザーの傾向といえるだろう。

エンジンはノーマルでも外装を派手に

 「ニーズが多様でなかなか傾向というものがない」というのは、兵庫県のチューニングショップ、エンドレス代表の杉野氏。あえて傾向を挙げるとすると、「エンジンはいじらずにノーマルのままで、エアロなど外装パーツにこだわるお客様が増えましたね」という。


 同ショップは、元々GT-Rに関しても、パワーアップなどエンジンチューニングに定評があるのだが、R35型に関しては外装のドレスアップがメインのユーザーが増えているというのだ。その大きな要因は「(R35型に関しては)サーキット走行に行くよりも、オフ会などに行く」オーナーが増えていることにあるそうだ。

 現行のGT-Rは、3.8リッターV型6気筒VR38型ツインターボエンジンを搭載し、最高出力は570psを発揮する上に、各部の電子制御などによりノーマルでも“十分に速い”。だが、かつて求められた“絶対的な速さ”よりも、乗りやすさや見た目を重視するユーザーが増えていることは確かなようだ。


 この傾向がクルマに「エコ」を求め、電動化などが進む今の時代を象徴しているか否かは不明だが、市場のニーズが変わってきてることだけは間違いない。

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