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「ケッチ」「サンパチ」「ヨンフォア」! 70年代に“中免ライダー”を虜にした国産バイク

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TEXT: 宮田健一  PHOTO: 宮田健一

免許制度も影響し、ニックネームが付くほど人気に

 1960〜70年代にかけて世界の頂点に到達した日本のオートバイ。しかし、そのあまりの高性能ぶりから、日本国内では最大排気量750ccまでという自主規制や、401cc以上の大型バイクに乗るには試験場で「限定解除」をする必要がある免許制度改定などが行われました。
 そんな背景の中、比較的容易に教習所でも取得できる中型二輪免許(今の普通二輪免許)で乗れる400cc以下のバイクが若者の間で流行し、数多くの名車が生まれました。“中免ライダー”(中型二輪免許を持つライダーの略)という言葉が出たのもこの頃です。
 ここでは、そのような名車の中でも、特に当時からニックネームで呼ばれ、今でも親しまれているモデルたちを紹介します。

 

【ケッチ】カワサキ・KH400/250(1976年)

 大排気量の500SSマッハIII(500cc2ストローク3気筒エンジン搭載・1969年発売)で成功を収めたカワサキは、引き続き750cc・350cc・250ccの各エンジンを搭載したモデルを出し、マッハシリーズを展開していきました。
 マッハは、1972年に登場した4ストローク4気筒エンジンの大型バイクZ1(輸出向け900ccの900スーパー4)、さらに1973年にZ2(750ccの750RS)へ主役の座を明け渡したあとも継続生産。そして1976年からは車名をKHに改めました。ニックネームの「ケッチ」とは、この車名から来たものです。


 KHシリーズは90cc、125cc、250cc、400cc、500ccと多くの車両がラインナップされましたが、なかでも人気だったのが250ccと400ccのモデルでした。なぜこの2台が人気だったかと言うと、1975年から自動二輪の免許制度が変わり、それまで自動二輪免許さえあれば乗れるバイクの排気量は無制限だったのに対し、小型・中型・大型の区分ができたためです。

 そのため、400ccを超える大型自動二輪は、非常に難関と言われた“限定解除”試験に合格しないと乗れなくなったのです。当時、国内ライダーのほとんどを占めていた、いわゆる“中免ライダー”たちの選択肢がこの排気量帯に集中したのです。なお、写真はKH400です。

伝統の2ストローク・トリプル

 もちろんケッチ400&250が人気だったのは免許の問題だけではありません。その前身である250SSマッハI、400SSマッハIIの時代から、500SSマッハIIIと同じ2ストローク・トリプル(3気筒)エンジンを搭載し、圧倒的な動力性能で“ジャジャ馬”と呼ばれた先代たちの硬派なイメージが色濃く受け継がれていたからです。
 その弾けるパンチ力は今でも大きな魅力。KH400の最高出力は400SSマッハII時代よりも5psデチューンされた38psとなりましたが、点火系がマグネトーCDI式になるなどで、信頼性がアップされていました。

500ccマッハと同じ3本出しマフラー

 KH400&250は、マフラーも500のマッハIIIと同じスタイルの3本出しを採用していました。こうした上級車と同じスタイルを採用していたのも、限定解除導入で大型バイクに乗れなくなった中免ライダーの所有欲を満足させてくれた点でしょう。
 ちなみに、KH90&125は2スト単気筒のマシンで、マフラーは片側1本出しとなっており、その存在感は3本出しには到底およびませんでした。

 メーターは左側にスピード、右側にタコの組み合わせ。その間を縦にインジケーターが並んでいます。
 インジケーターは上から順に速度警告灯、ウインカー、ハイビーム、ニュートラル。速度警告灯は80km/hに達すると点灯し、スピードメーターの目盛りも80km/h以上は赤く区分けされていました。
 当時の日本国内におけるバイクの法定最高速度は80km/hまで。軽自動車と同時にバイクの高速道路100km/h走行が解禁されたのは2000年の10月1日からと、ケッチの時代からずっと後のことでした。

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