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障がい者にもアウトドア体験を! 日産セレナに車中泊を可能とした福祉車両

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TEXT: 御堀直嗣(Mihori Naotsugu)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

セレナをベースに回転シートやベッドを装備

 東京で開かれた「国際福祉機器展」で日産自動車は、車中泊をテーマとしたコンセプトカーを展示。ミニバンで人気が高いセレナをベースに、3列目の座席を外した5人乗り仕様としたうえで、2列目以降に平らなボードを敷くことでベッドルームにも仕立てられる、というのが大きな特徴だ。

 ベッドの表皮は、汚れても拭き取りのしやすい防水シート。また、ベッドのボードの下は物入れや車いすの収納スペースとして使える。

 いま、道の駅などを活用しながら日本全国を巡る”くるま旅”が流行。それを、障がい者でも実現できないかという発想だ。助手席には電動回転シートも装備しており、障がい者の乗り降りしやすさへの配慮もされている。

 

災害で避難する際にも役立つ

 余暇以外の利用を想定できるのは、近年頻発している大規模な自然災害時。車中泊を余儀なくされることが全国すべての地域で現実味を帯びはじめており、自治体では、避難所などの備えはしているものの、たとえばペットを飼っているなどで避難所に入ることを遠慮する人もいる。もちろん、避難所内ではなかなかプライバシーを守ることは難しい。

 そうした緊急時に、ミニバンの2列目から後ろをベッドにアレンジできるクルマがあれば安心。ミニバンは3列シートが特徴となるが、3列目に座る機会は多くないのであれば、このコンセプトカーのような5人乗りで日常の用は足りる。

 例えば、電気自動車リーフで使用済みとなった中古のリチウムイオンバッテリーを使ったキャリー式の予備電源を備えれば、かなりの災害予防策となるだろう。

 福祉車両として車いすで乗り込めるようにした場合は、なおさら3列目の利用頻度は稀になる。コンセプトカーの姿は、ミニバンの福祉車両としてかなり現実味のある、それでいて非日常的な旅への期待も抱かせるに違いない。

 提案したオーテックジャパンは、「去年、ルーフラックの車両を展示してアウトドアを演出したら評判がよく、日産のライフケアヴィークル(LV=福祉車両)は、”出かける喜びを多くの人へ”という考えで取り組んでいるので、今年は車中泊をテーマにしました。オーテックジャパンは、特装車メーカーなので車両の改造は得意であり、福祉車両と特装の技術を活かし、これからも実用性だけでなく、新しい提案をしていきたい」と、意欲を語った。

 

セレナe-POWER福祉車両の静かさにも注目

 同じくセレナのLVには、 e-POWERの車両も設定。シリーズハイブリッドのe-POWERは、モーター駆動による走りの俊敏さと静粛性を備えた快適さに加え、EVモードでの走行が可能であるため、車いすを必要とする場所近くまで極めて静かに近づくことができる。

 乗降の際も、エンジンをアイドリングさせておく必要なし。電気自動車(EV)ではなく、ハイブリッド車であるため、車載するリチウムイオンバッテリーの搭載量が少ないことで、車いすを載せる3列シート部分の床を低く保つことができ、頭上の空間などにゆとりをもたせることができる。

 さらに、3列目の座席にある跳ね上げ機構が、操作しやすいように低く抑えられているので、車いすで乗り込んだときに、車窓から外を眺めることができる(折りたたんだ座席で窓がふさがれてしまわない)。

 夢の広がるコンセプトカーとともに、既存のLVも、技術の日産ならではの独自性が備わっていた。

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