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サーキット専用の市販車「GT3」 マシンの中身と気になる値段

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TEXT: 原田 了(HARADA Ryo)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

自動車メーカー製のレース専用コンプリートカー

 国内最高の観客動員を誇るSUPER GT(S-GT)やスーパー耐久シリーズ(S耐)などで “GT3”マシンの活躍が目立っています。そして、ニュルブルクリンク24時間やスパフランコルシャン24時間といった長い歴史を誇るレースでも近年では“GT3”マシンが主役に。国内でも、最も長い歴史をもつ鈴鹿1000kmが“GT3”マシンでの世界一決定戦を謳う鈴鹿10時間耐久レースに衣替えしています。今回はこの“GT3”というカテゴリーのマシンを紹介しましょう。

 GT3は市販レーシングカーで、自動車メーカーが直接に開発・製作するケースと、メーカーがレーシングカーの開発・製作を専門とするコンストラクター(車両製造者)に委託して生産・販売する場合があります。つまりGT3はメーカー製のレース専用コンプリートカーなのです。

 

 

見た目は派手だが不要なものは削ぎ落とし

 外観上は大きなリアウイングが目を引き、室内にはロールケージが張り巡らされ、走りに関係しない快適装備などは一切除去。もちろんサーキット専用車両なので、ナンバープレートをつけてロードゴーイング仕様(公道を走行できる)にすることは不可能とされています(一部除く)。エンジンも、基本的にはレース用にチューニングされていますが、リストリクター(吸気流入制限装置)で吸気制限されているので、単純にエンジンパワーだけで比べれば、むしろ改造したロードゴーイング(ナンバー付き車両)仕様の方がパワーが出ているケースもあります。

 一般的にはGT3、あるいはFIA-GT3と呼ばれていますが、世界中のモータースポーツを統括するFIAは、カテゴリーでは「Groupe GT3」と呼称。FIAは本部がパリにあるためにフランス語が“公用語”となっており、英語ならばGroup GT3(グループGT3)となります。

 GT3があるからには、かつてはGroup GT1やGT2もあって、その下位カテゴリーとして現在のGT3が登場した経緯があります。ちなみに、Group GT1は2012年で廃止、Group GT2もル・マン24時間を舞台とする世界耐久選手権(WEC)に参戦しているLMGTE車両へと移行しています。

大きく分けて3つに別れるGT3

 GT3マシンは、ジェントルマンドライバーと呼ばれるハイ・アマチュアのためのレース車両として誕生した経緯があります。車両規定の概略としては、条件付きながらベース車両(市販のロードゴーイングカー)と同じメーカーなら他のエンジンに載せ換えも可能とされていますが、基本的には改造範囲が厳しく制限されています。

 車両価格は車両規則発効当初は3000万円程度。レースではさらに吸気リストリクター(吸気制限孔)が装着され、車両重量制限などの「BoP(バランス・オブ・パフォーマンス)」によって各車両の性能調整が行なわれ、戦闘力が拮抗した激しいバトルが展開されているのです。現在では4000万〜6000万円が相場になっています。

 しかしFIA GTワールドカップや、スパ24時間、鈴鹿10時間などに代表されるインターコンチネンタルGTチャレンジ、そしてブランパンGTシリーズなどは、自動車メーカーによるワークスチームの参戦が認められていてバトル激化。ワークスチーム参戦が認められるレースでは、ハードもソフトもレベルが大幅にアップしてしまいました。

 それでも一部のハイアマチュアが予選などで好結果を残すことも少なくありません。それはGT3が参戦する殆どのレースで、パフォーマンスを大きく左右するタイヤに関し、ワンメイク制度が導入されているからです。その数少ない例外が、日本で行なわれているS-GTのGT300クラス。ブリヂストンやヨコハマ、ダンロップなどの各タイヤメーカーが鋭意開発したコンペティションタイヤを使用し、レベルの高いバトルを繰り広げているのです。

 つまり、GT3はアマチュアだけのグラスルーツレースとトップドライバーが技を見せつけるプロ・レース。そしてタイヤまですべてで競争しているS-GTのGT300クラスの3つに大別できます。

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