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1970年代全盛! オーバーフェンダーで高性能を主張した国産スポーツカー5選

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TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)  PHOTO: 日産自動車/三菱自動車/Auto Messe Web編集部

高性能化&ワイドタイヤ装着のための対策

 クルマ好き、特にレースやカスタマイズに詳しい人ならば「オーバーフェンダー」は知っているだろう。最近ではSUVのホイールハウスの周囲に付けられた黒い樹脂パーツや、輸入車のタイヤはみ出し対策で付けられた小さなものといったのがイメージとして浮かぶだろうが、厳密的にはアーチモールやリブと呼ぶもの。やはり1970年代にワクワクさせられたのが、ボルトやリベット止めのオーバーフェンダーだろう。

 ベース車があって、スポーティなグレードを作る際にワイドトレッド化。タイヤがはみ出てしまうときに、自動車メーカーが法律に合わせるために装着したもの。つまり、当時はオーバーフェンダーが付いているだけで別格感はあったし、「いかにも後付けしました」という、ダイレクトな無骨感も魅力だった。

 今も昔も社外品(アフターパーツメーカー品)はあったが、当時は時代的に改造に対して厳しく、ハコスカRやケンメリRと呼ばれていた日産の初代&2代目スカイラインGT-Rなどに使われる以外は、アフターパーツとしてあまり普及しなかったのも事実。「構造変更」も至難という時代だっただけになおさらで、いまでこそカスタマイズの手法として見られるものの、オーバーフェンダーは自動車メーカーが付けているからこそ、真の意味があったとも言える。

 そのメーカー装着も1974年の保安基準改正で装着が難しくなって消滅。現在は規制緩和もあり、社外品の装着でも車検をパスさせることはできるが、フェンダーをカットしたり穴あけ加工が必要などリスクは依然として高い。なお、ワイドトレッド化に対応させるには、フェンダー全体を膨らませる「ブリスターフェンダー」が存在するが、今回はオーバーフェンダー装着車の代表モデル、5台を紹介しよう。

【日産・スカイラインGT-R】

 第一世代のGT-Rと言えば、やはりハコスカ(PCG10型/KPGC10型)とケンメリ(KPGC110型)。ベースはどちらもGTセダンであり、実用グレードもあったのだが、それを”R”化するために、S20型2リッター直6DOHCエンジンを搭載し、レースで幅の広いタイヤを装着するためにオーバーフェンダーを装着していた。これによって戦闘力は大幅にアップ。ハコスカGT-Rはレース49連勝という金字塔を打ち立てたのである。

 2代目GT-Rとなるケンメリは、197台が生産されたがオイルショックなどの理由から日産がレース活動を中止。レースに参戦することはなかった。

 ちなみにハコスカのGT-Rは、4ドアはサーフラインカットのみで、オーバーフェンダーなし。2ドアハードトップはリヤだけ装着していた。

 

【日産・チェリーX1-R】

 名機A型エンジンを搭載した、FF車のチェリーも実用車ではあった。スポーツグレードの”X1″はオーバーフェンダーは採用されなかったが、1973年にサスペンションなどを強化した”X1-R”が登場。もちろんオーバーフェンダーが装着され、国内レースにも積極的に参加し、多くの人に高性能ぶりを見せつけた。
*写真は標準車

 

【日産・フェアレディ240ZG】

 初代フェアレディZの”GT-R”的な存在だったのがS20型エンジンを搭載したZ432。ただし、フェアレディZ432にはオーバーフェンダーは装着されておらず、グリルレスのGノーズが特徴だった2.4リッター直6SOHCエンジンを搭載した240ZGのみ前後オーバーフェンダー仕様だった。

 国産車で前後ともにオーバーフェンダーを装着したのは、フェアレディ240ZG。なお、日産車でオーバーフェンダーを装着した歴代車は、前述のスカイライン2000GT-R、初代チェリー、そしてフェアレディ240ZGのみとなる。

 

【三菱・ギャランクーペFTO GSR】

 1973年に登場したコルト・ギャランベースの2ドアクーペ版。その名も「ギャランクーペFTO」なのだが、ボディサイズも現代からするとかなりコンパクトだが、ホットハッチ的な存在で人気を博した。上級のツインキャブのさらにホットモデルである”GSR”にオーパーフェンダーを装着。

 ボディ同色なのも新鮮だったが、翌年には安全対策における保安基準が改定となってオーバーフェンダーは廃止され、レス仕様となった。

 

【トヨタ・レビン/トレノ】

 カローラーをベースにして、セリカが搭載したエンジン”2T-G”を積んだスポーツモデルが、初代カローラレビンとスプリンタートレノ(TE27)。このDOHC1.6リッターを搭載したグレードは、前後にオーバーフェンダーを装着したスタイルで精悍そのもの。実用車ベースということあって、羊の皮を被った狼的なワイルドさがあった。

 しかもグリーンとオレンジのみという、いまでは考えられないボディカラーは、多くの若者のハートを虜にしたのである。

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