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金色ハコスカから1億円オーバー限定車まで、日産スカイラインGT-Rに存在した「激レア」モデル5選

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: 日産自動車/Auto Messe Web編集部

市販されなかった世界にたった1台のGT-R

 日産スカイラインの最上級グレード「GT-R」は、1969年に登場してから現在に至るまで歴代6モデルが存在する。ハコスカ(C10)、ケンメリ(C110)、R32、R33、R34、そして2007年にはスカイラインが付かなくなったR35だ。総生産台数でいえば、R32が4万3934台と最も多く、ケンメリは197台(+レース用試作車2台)と一番少ないのはクルマ好きの間ではよく知られている。しかし、細かく見るとじつに希少な”GT-R”が存在していた。

生産台数5台以下? サファリゴールドのハコスカ

 記念すべきスカイラインGT-Rの第1号車がちょうど50年前の1969年に登場。「愛のスカイライン」という広告のキャッチコピーを用いた4ドアセダンをベースに、高性能バージョンとして登場したのが”2000GT-R”こと、通称「ハコスカGT-R」だ。

 設計はスカイラインの父=桜井眞一郎によるもの。サスペンション関係は、後にR32の主管なった伊藤修令が担当した。スカイラインの最強バージョンの証である、修令が担当。スカイラインの最強―バージョンの証である、赤い「GT」のエンブレム=赤バッジと「GT-R」のバッジが誇らしげで、伝統のサーフィンラインもこのC10スカイラインから採用されたもの。

 このハコスカGT-Rは、レーシングカーだった「R380」の心臓部であるGR8型エンジンを市販車向けにデチューンしたS20型を搭載し、国内レースを席巻。無敵の49連勝という大記録を打ち立てる。ちなみに、当時の車両新車価格150万円に対して、価格の47%がエンジンの費用と言われている)。

 なかでもハコスカGT-Rのレアモデルといえば、サファリゴールド(サファリブラウン)のGT-R。ハードトップの新車発表会の展示車が、このサファリゴールドだったが、正式にカタログに載ったことはない。

 2ドアのハコスカGT-Rがデビューした1970年10月からわずか2カ月間だけ生産されたといわれているが、おそらく5台も作られなかったはず。ボディカラー以外は、他のハコスカGT-Rと同じだが、あまり知られていない話である。

 

赤がスポーツカーらしさを引き立てたケンメリ

 製造期間4ヶ月、生産台数197台の短命で終わってしまった2000GT-R(ケンメリGT-R)。搭載エンジンはハコスカGT-Rと同じS20型なのだが、そのぶんハコスカよりも貴重なモデルだ。その中でも、当時たった7台だけ生産されたといわれる赤いボディカラーのケンメリGT-Rが存在したのである(日産自動車の座間記念庫に1台)。

 ケンメリGT-Rには、1973年の東京モーターショーに出展した、黒いボディに金のストライプが入った「スカイライン2000GT-Rレーシングコンセプト」という一台があったが、これはあくまでショーモデル……。2007年にフルレストアを終えたケンメリレーシングは、同年のニスモフェスティバルで初走行している。

 S20型エンジンを搭載した第一世代GT-Rは、シルバーなどのシブイ色の個体が多いが、この赤いケンメリGT-Rを見ると、高性能スポーツカーにはやはり赤が似合うということを教えてくれる。

 

スペシャルオーダーカラーのR32GT-R

 赤といえば1989年にR32GT-Rがデビューしたときのこと。故徳大寺有恒氏がオーダーした赤のR32というのがあった。新車からレッドで塗られた特別な1台だったが、徳大寺氏が所有していた時期はそれほど長くなく、某業界関係者に売却された。

 その後、どうなったかは不明だが、いまもどこかで走っているのだろう。どちらにせよ、ボディカラーに赤を設定しないR32GT-Rゆえ、かなり貴重な1台だ。(画像は同型車で実車とは異なります)

 

レース参戦のために生産されたGT-R LM

 歴代GT-Rの中で唯一、ル・マン24時間レースにチャレンジしたのがR33GT-R。1995年、5年ぶりにル・マン24時間レースにカムバックすることを決めた日産は、R33でGTクラスへ参戦することを決定。当時のGTクラスに出場するには、「一般公道を走行できるロードカーが存在しなければならない」という規定があったが、さすがに市販車のR33GT-Rでは勝負にならないのは目に見えた。

 そこでワイドボディにワイドタイヤ、強化されたブレーキやクーリングシステムなどのチューニングを加えた「NISMO GT-R LM」を製作。イギリスで一般車両として登録し、公認を取得するという奥の手を使った。

 無事にル・マン24時間レースに参戦し、1995年に総合10位・クラス5位というリザルトを残す。しかし、「NISMO GT-R LM」は、市販化されることはなかった。

 

1億円オーバーの世界限定50台モデル

 希少なGT-Rといえば、2018年に日産GT-Rとイタルデザイン社の50周年記念車として、世界限定50台で販売された「Nissan GT-R50 by Italdesign」も記憶に新しいところ。ベースはGT-R NISMOで、エンジンはNISMOの手によって、720馬力にチューニング。

 ゴールドのアクセントパーツが特徴の内外装のデザインは日産デザインヨーロッパと日産デザインアメリカが手掛け、開発と設計、製造はイタルデザインが担当。90万ユーロ(約1億1700万円)以上という価格も話題となった。

 その他、R32のN1ベース仕様(228台)や、R34のVスペックN1仕様車(45台)などもレアなクルマだが、オーナーにとっては自分のGT-Rこそが、世界で一台のオンリーワン。世界に誇れるハイパフォーマンスカーであるGT-Rを、ずっと大事に乗り続けてほしいと思う。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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