ゴーチャ選手が2年連続世界一に!
そして迎えた決勝日。前日よりは少し雲が多かったものの、この日も早朝から好天に恵まれ朝から多くのドリフトファンがこの筑波に駆け付けた。
午前中には前日時間切れで行うことができなかった敗者復活戦の上位4台の追走が行われ、さらに午後の決勝へ進出した16台のチェック走行の後、ドリフトマシンの同乗走行、サイン会、グリッドウォークとファン向けのイベントも行われた。
そしてオープニングセレモニーが行われ、この大会の名誉顧問であるドリキンこと土屋圭市さんによる「開会宣言」に続き、午後1時過ぎに決勝追走はスタートした。
ベスト8を決める追走トーナメント
追走トーナメントのベスト8を決める1回戦は、まずコンソレーション追走(敗者復活戦)の勝者、小橋正典選手(#19 LINGLONG TIRE DRIFT Team ORANGE/日産S15シルビア)と予選トップ通過のチャールズ・カキ エン選手(#17 T1 Racing with RYDANZ TIRES/日産S14シルビア)の組み合わせからスタート。
だが、小橋選手のマシンにクラッチトラブルが発生しここでリタイヤとなってしまう。
続く2戦目は、藤野秀之選手(#8 Team TOYO TIRES DRIFT/日産180SX RPS13)と、昨年の同大会で2位となっているスイスのイヴ・メイエー選手(#7 Eventseelisberg/トヨタGT86 ZN6)の組み合わせ。ここではウォームアップ中の藤野選手のマシンのテンションロッドが折れるというハプニングが発生。万事休す! と思われた藤野選手だったが、時間内になんとかマシンを修理し疾走。メイエー選手を下して、無事に先に進むことができた。
予選2番手通過の松井有紀夫選手(#5 Team RE amemiya K&N/マツダRX-7 FD3S)もきっちり走り切りこの1回戦を通過。しかし、今年D1連覇を達成した横井昌志選手(#6 D-MAX RACING TEAM/日産S15シルビア)、そして川畑真人選手(#2 Team TOYO TIRES DRIFT/トヨタ・スープラA90)は、ここでまさかの敗退となり、ベスト8に進出した日本人選手は2名のみとなってしまう。
勝ち残った日本人選手2名の順位は?
8台が進出した2回戦では、香港のカキ・エン選手、さらにマレーシアのツンクー・ジャン・レイ選手(#12 Sailun Motorsports/BMW E92 M3)がマシントラブルに見舞われ満足に走行できず敗退。ベスト4に進出したのは、藤野選手、松井選手、ロシアのゴーチャ選手、そしてフォーミュラードリフト・ジャパンで今季2年ぶり4度目のタイトルを獲得したアンドリュー・グレイ選手(#3 Team Kazama with Powervehicle & Valino/トヨタMARK II JZX100)となった。
ここからはさすがのベスト4といった見ごたえのある追走バトルが繰り広げられた。藤野選手とグレイ選手の追走では藤野選手が勝利。
ゴーチャ選手と松井選手の追走はサドンデスに持ち込まれたものの、ゴーチャ選手が勝ち上がって、藤野選手との初の一騎打ちが見られるはず、であった。
決勝ファイナルを前に、波乱が起こった。まず、ゴーチャ選手がクラッチのオーバーヒートでマシンを修復。ようやく修理が終わり、走り出したところで、今度は藤野選手のマシンが「デフのリングギアが飛んでしまった」ということで走行不能になりリタイヤ。2名のトップドライバーの注目対戦は実現することなく、決勝が終了。
結果は、ゴーチャ選手ことゲオルギィ・チフチャン選手(#1 Russian Drift Series Team/日産S15シルビア)が優勝し、大会2連覇を達成した。2位に藤野選手、そして3位決定戦で松井選手を下したアンドリュー選手が3位に入った。
「マシントラブルが続出しましたが、決勝で藤野選手にトラブルが出ていなかったら、自分が勝てたかどうかわからない厳しいレースでした。今回はすごくラッキーだったし、勝てたことをうれしく思います」
とコメント。
大会の名誉顧問・土屋圭市さんは
「ベスト4以外はねぇ、あんなに離れていたら追走とは言えない」
と苦言を呈しつつも
「まだ(大会は始まって)3年目。これから、もっとお客様が喜んでくれるような追走を見せられるよう、さらにレベルアップしていってくれると信じています」
とこれからの取り組みに対し、期待を込めたコメントを越してくれた。