クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB

クルマを文化する
REAL CAR CULTURE

AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

  • TOP
  • CUSTOM
  • シートカバーの遍歴、懐かしのレース生地やビーズクッションが流行した理由とは
CUSTOM
share:

シートカバーの遍歴、懐かしのレース生地やビーズクッションが流行した理由とは

投稿日:

TEXT: 近藤暁史(KONDO Akifumi)

時代とともに変化した装着する目的

 1980年代半ばまで当たり前だったか。年配の方、もしくは幼少の頃に乗ったお父さんのクルマに「シートカバー」を装着していたというのは懐かしいだろう。現在でもディーラーオプションで用意されていることもあるが、特にレース生地のシートカバーは人気だった。また、ビーズのシートカバーも時代を感じさせるもので、こちらはタクシーでの装着率が多かったように記憶している。

 いずれにしても、今では見かけなくなってしまったが、なぜ人気だったのかを考えてみると、レースのシートカバーに関しては大切な愛車のシートを汚れから保護するためだろう。今でもそうではあるが、その昔はクルマというのは家の次に高価なほど貴重なものだった。

 それだけに買った時点で、特別なものを大切にするのは当然のこと。そうなると、品のいいレースのシートカバーをかけて奉りたくもなる。当時、応接間のソファーにもレースのカバーがかけられていたが、それと同じような感覚といえよう。

 また、機能的にも意味はあった。前述したビーズのシートカバーはとくにそうだが、当時のシートは今のように質のいいモケット生地ではなく、ビニールレザーが主流。ビニールレザーというと人工皮革のように思えるが、ビニール感全開で夏に汗をかくとペタペタしてくるという代物だった。水分が染み込まないので汚れなどは拭けば簡単に落とせたのいいが、汗のベタつきはなんとかしたいもの。そこで、通気性アップのためにはビースのシートカバーはとても有効で、タクシーなどの職業ドライバーに愛されたのも理由のひとつ。レースのシートカバーについてもべたつき防止に効果を発揮した。

 ちなみにビーズのシートカバーといっても、小さなビーズではなく、大きな木製の玉をつなげたもので、指圧効果を売りにしているものもあったほどだ。

 次第にレースもビーズも見かけなくなっていくが、1980年代に現れてきたのが、Tシャツを被せるというもの。ヘッドレストにバンダナを巻くのも同時に流行った。これも汚れが付かないようにということだったが、サーファーブーム、ドライブブームの流れでのオシャレテク的な要素もあったと思う。こちらも”KIKI”などのステッカーを部屋に貼ったり、ヤシの木の置物で部屋を南国風にしていたのと同じだったのではないだろうか。

 その後、シートの素材やデザインがよくなって、シートカバーをあえて付ける必要はなくなるが、逆に現在はシート全体をカバーできる車種専用品が主流。型取りなどの技術が進化したのもあるが、海外生産が行なえるようになって安価にできたのも人気を後押し。さらにPVCという素材もレザーシートのようでビジュアル面での高級感も高くて満足度は高い。

 また、サイドエアバッグのシート内への組み込みもシートカバーの装着が減った理由のひとつではあるが、最近のシートカバーはこの点にも配慮していて、着実に進化している。このように現在の車種別シートカバーはドレスアップ効果だけでなく、飲み物をこぼす恐れや泥汚れなども拭き取りやすので、小さな子供のいるファミリーにもオススメだ。

すべて表示

 

 

 

 

 

 

ranking

RECOMMEND

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

 

 

 

 

 

 

MEDIA CONTENTS

WEB CONTENTS

ranking

AMW SPECIAL CONTENTS