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樹木から作られたガルウイングドアのコンパクトスポーツ【エコプロ2019】

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: 青山義明

未来のクルマをテーマに環境省が出展

 地球環境問題の解決に向けての取り組み、サスティナブル(持続可能)な社会の実現を提案する「エコプロ2019」が、2019年12月5日(木)~7日(土)、東京ビッグサイト西ホールで開催された。21回目を数えるこの展示会には、今回も515の企業・自治体・NPO・大学が出展した。

 これに出展している環境省のブースは「未来のクルマ」をテーマに、先日の東京モーターショーでお披露目された2台の車両が再び一般公開された。

 1台は「NCV」。植物由来の新素材であるセルロースナノファイバー(CNF)を用いた、まさに樹木から作る軽量自動車で、NCVという車名は、ナノ・セルロース・ヴィークルの頭文字から取っている。

 このクルマは、環境省の「セルロース・ナノ・ファイバー(CNF)等の次世代素材活用推進事業」の4年間のプロジェクトの集大成として作られたもので、軽く強くカーボンニュートラルな素材の特徴を生かす2シーター・スポーツカー。内外装の樹脂素材やリアガラスの代替材料として採用し、車両全体で10%以上の軽量化を達成している。

 もう1台はノーベル物理学賞受賞技術で、次世代半導体材料として期待されている窒化ガリウム(GaN)を活用した超省エネ電気自動車のコンセプトカー、「オールGaNヴィークル(AGV)」である。2014年に青色発光ダイオードの開発でノーベル物理学賞を受賞した、名古屋大学の天野浩教授も車両製作に関わっている。

 発光ダイオード(LED)の生産に使うことができる材料である窒化ガリウムを電動化技術に適用したコンセプトカーで、既存の車両よりもCO2排出量を約20%削減することを目標としている。全長3050×全幅1650×全校1500(mm)のサイズで4名が乗車できるアーバン・コンパクト・スポーツEVとなる。エアレスタイヤの内部に組み込まれているインホイールモータ(後輪)で駆動を行う。

 搭載している電気効率98%超という超高効率の「GaNインバータ」は、電磁ノイズを低減して乗員にやさしく、半導体のエネルギー損失を10分の1程度に低減することができるため電費性能で20%改善できるといった特徴を持つ。

 ちなみに、インバータとは、バッテリーからの直流電力を交流電力に変換してモーターに供給する部品のこと。アクセル開度に応じ、適切な周波数や電圧量の交流電力にすることで、モーターの回転数やトルクなどを制御する。また、減速時にモーターで発電した交流電力を、バッテリーに充電するために直流電力に換える役割も行う。

 EVでは、インバータの制御により、電気の消費量やモータのトルク性能などが変わってくる。

 2台ともに、社会科見学でこの会場に訪れていた小学生たちに大いに人気だった。

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