クルマとの相性で乗り味が激変! 異なる車種で同一銘柄のタイヤをテスト

クルマとの相性で乗り味が激変! 異なる車種で同一銘柄のタイヤをテスト

組み合わせを間違えると乗り心地に影響

 人と同じでタイヤとクルマにも相性がある。いくら評判のいいタイヤでも、自分のクルマに装着したら思ったほど良いとは感じなかった、ということも決して少なくない。その理由は、クルマにキャラクターがあるように、タイヤにも個性があり、装着するクルマの組み合わせによってタイヤのクセが強く出たり、逆にクルマの特徴を抑えたりすることがあるからだ。

 今回はモデルケースとして、BMW3シリーズとVWゴルフそれぞれにネクセンタイヤのエコ・プレミアムスポーツタイヤ「N FERA SU1」を装着して、マッチングテストを行なってみた。タイヤとクルマの相性次第で乗り味が激変!異なる車種で同一銘柄のタイヤをテスト

 タイヤとクルマの相性について極端な例でいうと、足回りの引き締まったスポーツカー、あるいは超ハイパフォーマンスカーにコンフォートタイヤをつけて乗り心地を良くしようとしたら、上下動が強く出るようになり、逆に乗り心地が悪くなったというのはよくあるハナシ。タイヤ選びのポイントは、自分のクルマのキャラクターを知り、それに適したタイヤを選ぶことだ。

VWゴルフとのマッチングは良好

 今回、ネクセンタイヤのエコ・プレミアムスポーツタイヤ「N FERA SU1」をBMW・E90型335iとVW・5代目ゴルフR32に装着して試乗してみたが、なかなか興味深い結果となった。いまさらながら335iとゴルフR32について紹介しておくと、335iは走りの楽しさを前面に押し出した3リッター直6ターボエンジンを搭載するスポーツセダンの代表ともいえるFR車。前輪には駆動力がかからないので、雑味の無いクリアな操舵フィーリングが得られるのが特徴だ。BMW自身もそれを意識したクルマづくりを行なっている。タイヤとクルマの相性次第で乗り味が激変!異なる車種で同一銘柄のタイヤをテスト

 一方のゴルフは世界の前輪駆動(FF)モデルのベンチマークとなるほど、操縦性の優秀さは誰もが認めるところ。ゴルフR32は、3.2リッターV6エンジンを搭載するゴルフシリーズのハイパフォーマンスモデル。パワーと刺激をプラスしている。ハイパフォーマンスモデルゆえ、駆動方式は通常モデルのFFではなく4WDを採用しているが、ゴルフらしい操縦性の良さ、マイルドな乗り味は同様だ。タイヤとクルマの相性次第で乗り味が激変!異なる車種で同一銘柄のタイヤをテスト

 この2台に「N FERA SU1」を履かせてみると、ゴルフR32はタイヤ本来の操縦性の良さと乗り心地が、上手くバランスした乗り味になっていた。マイルドなステアフィールや乗り心地の良さが好印象であり、ネガティブな印象は一切感じさせない。

タイヤとクルマの相性次第で乗り味が激変!異なる車種で同一銘柄のタイヤをテスト

 ところがBMWは、タイヤのマイルドさが前面に出てしまい、切れ味のいいBMWの操縦性までをマイルドなものにしてしまっている。この変化は悪いわけではなく、ちょっとドライバーに緊張感を求めるBMWの操縦性が、N FERA SU1によって緊張を和らげてくれる、という感覚。ただし、BMWとの「相性」という見方をすると、身上である精度の高い操縦感覚、切れ味のいいステアフィールがちょっと抑えられた格好になったのも事実だ。タイヤとクルマの相性次第で乗り味が激変!異なる車種で同一銘柄のタイヤをテスト

リラックスしてコーナーを曲がれる素直な特性

 まとめると、ゴルフR32が求める操縦性、ハンドル操作に対する応答の正確さが、N FERA SU1にちょうど合っている。見方を変えると、ゴルフはそれほどタイヤにピンポイント的な性能を求めていないわけだ。装着するタイヤのケース剛性が高くシャープな操縦性ならば、ゴルフR32もシャープな乗り味が少し強めに出る。けれどもシビアにならないところがゴルフR32の個性ともいえるだろう。タイヤとクルマの相性次第で乗り味が激変!異なる車種で同一銘柄のタイヤをテスト

 N FERA SU1を履くと、カチッとした手応えと、角の丸まった乗り心地の良さが両立。このあたりはヨーロピアンラジアル的な印象だ。ケース剛性とコンパウンドグリップのバランスが良く、コーナーは文字どおりのオン・ザ・レール感覚。グリップの感触は粘着系ではなく、接地面の広さからくるグリップの強さ、安定感がある。ヒステリシス摩擦系のグリップ感のほうが強い印象だ。それでいて、しっかりと路面を捉えている安心感と、スルリとコーナーを曲がってくれるような旋回感の良さががある。タイヤとクルマの相性次第で乗り味が激変!異なる車種で同一銘柄のタイヤをテスト

 N FERA SU1のタイヤラベリングは、主要サイズがサイズで転がり抵抗A、ウエットブレーキb。転がり抵抗の少ない低燃費タイヤであることも関係しているのだと思う。じつはタイヤラベリングからも、このタイヤがスポーツ性を重視したわけではなく、省燃費性能とスポーツ性能の両立を図ったプレミアムタイヤであることが分かる。タイヤとクルマの相性次第で乗り味が激変!異なる車種で同一銘柄のタイヤをテスト

 そうしたタイヤのキャラクターも浮き上がってくると、スポーツ性の高いBMW335iには、BMWらしさを引き出すという意味では今ひとつしっくりこなかったのもうなづける。一方のゴルフは、適度なケース剛性とグリップ性能のバランスしたN FERA SU1のとマッチングは良かった。国産の車種ラインアップを考えてみると、FFモデルの多いだけにゴルフのような良いマッチングが期待できそうだ。タイヤとクルマの相性次第で乗り味が激変!異なる車種で同一銘柄のタイヤをテスト

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