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ワンアームからサイドミラー用まで「雨には勝てたけど、時代に負けてしまった変わり種ワイパー」

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TEXT: Auto Messe Web編集部  PHOTO: 増田貴広

画期的な機構だけど実用性は?

 クルマの「ワイパー」といえば、フロントガラスやリアガラスに付着した雨や雪、汚れを拭き取るためのモノ。開発された頃から基本構造に大きな変化はないのですが、時代と共にその拭き取り方が少し変わったタイプも存在していました。 

 例えば、スバルのアルシオーネ、ホンダのプレリュードやトゥデイ、昔のメルセデス・ベンツなどに採用されていた「ワンアームワイパー」。

 本来は2本あるはずのワイパーが1本になるわけですから、サイズ自体を大きくしたり、M字状に動かすことで拭き取れる範囲を広げる工夫を盛り込んでいました。いまも完全に消滅したわけでなく、ヴィッツなどワンアームワイパー装着車は少なからず現存しています。

 しかし、1本故にワイパーの作動速度を早める必要があるためにモーターやギアに負担をかけたり、左右にバシャバシャと雨水を飛ばしてしまって、隣の信号待ちしているクルマやバイクにかかってしまうことも。特に大雨時は気を遣うことが多かったのも事実です。

 

拭き取り面積が大きい対向式

 エスティマやオデッセイなどに採用されていたのが対向式ワイパー。フロントガラスについた雨水を取り除く面積が大きいので視界確保のメリットが大きかったのですが、構造が複雑だったためにコストもかかりがち。拭き取り面積が大きいというメリットもあったが、わざわざ対向式を採用するメリットまでを考えると、”必要なし”となったのではないだろうか。

 と言いつつも、この対抗式もジェイドやクラリティPHEVといったホンダ車で生き残っている。

 

フロントウインド以外にも存在した変わり種

 ウインドウ以外の拭き取り用ワイパーとして存在したのが「ヘッドライトワイパー」。名の通りヘッドライトに付着した汚れを拭き取るための小さなワイパーで、メルセデス・ベンツやボルボ、サーブなど欧州車のみならず、日産のサファリやセドリックといった国産車にも採用されていました。

 役割としては、ヘッドライトカバーについた雪や泥水といった汚れをワイパーで拭き取ることで、光量を落ちるのを防止。特に寒冷地では効果を発揮していましたが、最近ではヘッドライトの光量もアップし、ライトカバーの形状も汚れの付着しにくい流線型フォルムへと進化。素材もガラスからキズの着きやすい樹脂製に変わったことで、ヘッドライトワイパーからウォッシャーへと変化していったのです。

 また、変わったところでは「ドアミラーワイパー」というものが日産シーマに採用されていました。ドアミラーの鏡面についた雨水を、小さなワイパーが取り除く役割を果たすためのものでしたが、思ったほどの効果は?だったようです。いまではドアミラー用の撥水剤も普及したため、その必要性もなくなったと推測。いかにも”高級車”という装備でしたが、普及はしませんでした。

 さらに、同じようにドアミラーの視界を得るために考えられた装備が、トヨタのマークII三兄弟に採用された「サイドウインドウワイパー」というシロモノ。フロントのサイドウインドウ前方部分に取り付けられ、クルマ好きの間では話題となりましたが、これもドアミラーワイパーと同じく、撥水剤の普及やワイパー自体が視界の邪魔になったことで、その恩恵をあまり受けることはなかったのです。事実、次のモデルチェンジで消滅してしまったのです。

 視界の確保に必須な技術として生まれたワイパー。クルマ好きの昭和生まれの人ならば、変わり種も含めてイロイロとあったことを思い出すのではないでしょうか。

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