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ハイパワーだけでは時代遅れ? カーボン製ボディのスカイラインGT-Rがもたらす新たなチューニング提案

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

手ごろなパワーを軽量ボディ&FRで楽しむ

 日産スカイライン。第2世代GT-Rの代名詞といえば、名機”RB26DETT”エンジンと”アテーサE-TS”の4WDシステムだろう。当時のライバルたちに大きな差を付けたふたつの武器を、「ガレージアクディブ」が製作したスカイラインGT-R(BNR32)はあっさり捨て去った。自然吸気のNAエンジンと後輪駆動を選んだ理由とは。

 1月10日(金)~12日(日)に幕張メッセで開催され、大盛況のうちに幕を閉じた東京オートサロン2020。今回も個性たっぷりなチューニングカーが数多く出展されたが、なかでも異彩を放っていたマシンのひとつが、福岡県のガレージアクティブが製作したスカイラインGT-Rである。

 オリジナルの全身カーボンボディは特筆に値するが、同様のデモカーは過去に何台か完成させており、改めて紹介するようなネタではない。では、今回のカーボンGT-Rは何が凄いのか。エンジンルームを覗き込めば、その答えは一目瞭然だった。

 なんと、搭載エンジンは第2世代GT-Rを歴史的な名車という地位に押し上げた”RB26DETT”とは違う。代わりに収まっているのは同じRBの型式が与えられたエンジンではあるものの、輸出仕様にしか存在しないシングルカムのRB30、しかもターボですらなく自然吸気のNAだったりする。

 聞いたところでは「高回転まで気持ちよく吹け上がるレスポンスと、NA6気筒ならではの心地よい音で、軽量ボディを活かし気持ちよく走る」のがコンセプト。もちろんエンジン内部はフルチューンが施され、排気量は3100ccまでアップし、最高出力340馬力を絞り出している。

 組み合わせるミッションは広いパワーバンドをより有効に使うべく、OS技研の6速シーケンシャルミッション「OS-88」。GT-Rの武器を捨てたのはエンジンだけじゃない。駆動方式も単純な速さより操る楽しさと軽快感を優先させ、4WDからFRへと変更されているというのだ。

 FR化により駆動系のパーツも省くことができ、軽さにより磨きがかかるのも大きなメリット。パワーを抑えることで巨大なウイングやディフューザーの必要性も減り、軽量ボディを活かして気持ちよく走ることができる。シンプルなエアロをまとった大人のGT-Rは、まさにコンセプトどおりの仕様ということだ

 また、足まわりはオリジナルのエアサス、ブレーキも自社製の前後4ポットキットを使い、走る・曲がる・止まるの性能をバランスよくアップ。決してパワー追求のクルマ作りを否定するワケではなく、GT-Rの新しい魅力を発見するため王道からあえて離れてみる。

 こういった視点の変え方や視野の広げ方は、カーライフや人生をより豊かにしてくれるに違いないだろう。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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