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一斉を風靡したクルマたちが続々生産終了! 次世代カー開発の裏で進む車種絞り込みの動き

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TEXT: Auto Messe Web編集部  PHOTO: トヨタ自動車、日産自動車、Auto Messe Web編集部

トヨタ、2025年までに販売車種の半減へ

 EVカーや自動運転、先進安全技術などの開発に、自動車メーカーが力を注いでいるのは知られるところ。当然ながら多額な開発費用が必要になります。

 2019年度の研究開発費で最も多いのは、「トヨタ自動車」で約1兆1000億円、2位は自動運転やEV、AIに積極投資する「ホンダ」で約8600億円、3位はコネクテッドカーなどに積極投資する「日産自動車」で約5400億円と言われています。単に開発費が膨らむ傾向にあるだけにとどまらず、その裏では、開発していく車両だけでなく、同時に既存する車種構成も絞り込みする必要があるワケです。

 実際に2019年には昭和から平成にかけて名車と呼ばれたいくつかの車種が、次期モデルの開発を待つことなく生産終了に追い込まれました。例えば、トヨタ自動車の人気セダンだった「マークX」は2019年12月で生産終了。車名としては「コロナマークII」として1968年にデビューし、スピンオフのような格好で1984年に車名からコロナが取れて「マークII」となり、当時のハイソカーブームの影響もあって大ヒット。モデルチェンジ末期の1988年でも年間19万台以上売れましたが、徐々に下降線を辿り、2004年には「マークX」と車名変更して奮起を図ったものの人気は低迷、この度の出来事となったのです。

 同じくトヨタ自動車の主力ミニバンだった「エスティマ」も昨年で生産終了。ミニバンブームの元祖といえる存在で、初代は「天才タマゴ」のキャッチコピーで人気を博し、2代目以降もブームを牽引してきましたが、残念ながらの流れとなってしまいました。

 一方で日産自動車も2019年12月に「キューブ」の生産を終了。1998年にデビューを果たし、スクエアなフォルムは若者を中心に人気を集めましたが、ピークだった2003年の約14万台という年間販売台数はその後下降線となり、2019年は年間で5000台を割り込むまで低迷してしまった。

 同じくコンセプトカーのような個性的なフォルムでデビュー。当時話題を集めてヒットした「ジューク」も国内生産終了。新型モデルは欧州で発表されましたが、国内導入の予定はないようです。

 このような傾向は続くようで、各自動車メーカーは大きな転換期を迎え、既存車種の打ち切りや車種ラインアップの絞り込みを推進。限りある開発費を絞り込んだ車種に向けて投資します。それらは新型のEVカーもひとつであり、自動運転技術や先進安全技術を搭載したモデル開発も然りです。

 ガソリンエンジンのクルマ好きからすれば残念な感じもしますが、新技術搭載の車種ラインアップが多くなればそれだけ多額の研究開発費を投資が必要になるのは当然の流れ。もちろん莫大な投資をして新しい技術を搭載したクルマが市場で受け入れられなければ、日本の自動車メーカーも体力的にじり貧となってしまうので、さらに力が入るのは当然です。

 トヨタ自動車は 2020年末に閉鎖予定の「トヨタ自動車東日本東富士工場(静岡県裾野市)」の跡地に、コネクテッド・シティ(2021年着工)を展開する構想を発表。その裏では同時に車種削減も計画されているわけです。事実、トヨタは2025年までに国内販売車種を現在の約60から半分にすることを計画。既存車種のプラットホームから新しいプラットフォームの開発に切り替え、研究開発費を集中させるようです。同じく、日産自動車も2022年までに現車種の1割以上を削減して研究開発費を集中。国内販売の車種を絞っていく方針を示しています。

 この動きは、他の自動車メーカーも同様となりそうな感じです。寂しい話ですが、これまでもてはやされてきた名車たちが、次世代カーの波に飲み込まれていくのも時間の問題なのかもしれません。

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