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普段使いもこなす、トヨタ・マジェスタの心臓部を移植した50’sポンティアック

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TEXT: AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)  PHOTO: 米澤 徹

ホイールスピンも誘発する動力性能

 初のお披露目は冒頭のクラシックカーイベント、2019年11月23日に開催された“COPPA DI TOKYO”だが、じつは応樹さん、イベントの前に試乗がてら東京の名所を巡っていた。

「パワートレインの積み換えで400kgほど軽量化されたことも功を奏している様子で、発進・加速が力強く、アクセルレスポンスもいい。濡れた路面で不用意にアクセルを開けるとホイールスピンするほどです」。

 パワフルなエンジンとプアなブレーキとのギャップもそれはそれで刺激的だが、応樹さんは、安全面も考慮して今後のブレーキの強化、つまりディスク化も検討しているという。

 イベント後日、撮影のため、今回のシルバーストリークを手がけたJEEP CAFE TOKYOの代表・和田さんに千葉県松戸市から埼玉県の河川敷まで助手席に乗せていただいた。

 モケット地のベンチシートは、昔のアメ車らしいフワフワとした座り心地。サスペンションはきわめてソフトで、カーブにさしかかかると、やや大袈裟なロールを感じさせるあたりも往年のアメ車テイストだ。

 それとは対照的に、動力性能は現代のクルマそのもの。信号が青に変わったタイミングで、和田さんにアクセルを大きく踏み込んでもらうと、2JZ-GEエンジンは勇ましい咆哮をあげ、4速ATの適切なギヤリングとも相まって、背中を蹴飛ばすような力強い加速をもたらす。速い!

 なによりのチャームポイントは全長5.1mという長大なボディにマッチした、テールが垂れ下がったファストバックの流麗なスタイリング。独自の存在感で周囲の視線を釘付けにする。

“臓器移植”で70年前のクルマの命を繋ぐ

 生粋のクラシックカーファンからすれば、スワッピングなど“邪道”と思われるのかもしれない。が、旧車の楽しみ方は人それぞれだ。

「こんなレトロなクルマが、故障などの心配をせず、普通に走れたら夢があると思いました。信頼性の高いトヨタ製のパワートレインなら真夏・真冬でもエアコンを効かせながら日常的に使える。ワタシにとってのまさにドリームカーです」。

 70年前に生まれたクルマに現代車の“臓器” を移植し、その命を繋いでいくことの意義と、素晴らしさ。応樹さんの言葉に思わず納得だ。

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  • AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)
  • AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)
  • 1991年生まれの秋田県出身。15歳のときに上京し勉学に勤しむも、高校生時代から東京都内をカメラ片手に自転車に乗って、神出鬼没、車屋巡りをする日々を送る。社会人になり、その時に出入りしていた趣味系自動車雑誌の元編集局長に呼ばれ、交通タイムス社に入社、現在に至る。イタリア車が趣味の中核ではあるものの、クルマに関連する本やミニカーを集めまくる根っからの収集癖おさまらず……。古書書籍、ミニカー、これらの山の中で生活を続けている編集者。
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