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「ヴィッツ」から「ヤリス」へ 名前以上に進化した3つの注目すべきポイントとは

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TEXT: 山本晋也  PHOTO: Auto Messe Web編集部

過去に例を見ないほどチャレンジングなモデル

 2020年2月10日、トヨタ・ヤリスの販売が始まりました。1999年、前身はそれまで「スターレット」という名前のモデルが担っていたトヨタのコンパクトカーであり、エントリーモデルというポジションを受け継ぐカタチで生まれたのが「ヴィッツ」。ヴィッツのフルモデルチェンジにあたり、日本でもグローバルネームを名乗るようになったのが新生「ヤリス」です。

 コンパクトカー向け「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)」のよる新世代プラットフォームを初採用したこともニュースですし、早くも専用の3ドアボディを持つスポーツバージョン「GRヤリス」が登場したことでも話題ですが、新型ヤリスのトピックスは、それだけではありません。

 ほぼ全身が一新されていますから、どこも注目点といえますが、ここではパワートレイン系に着目して、3つのポイントをピックアップしてみましょう。

エンジンは3気筒オンリーの設定

 まず、第1のポイントは、エンジンが全グレードで3気筒になったこと。標準グレードの1リッターエンジンは従来モデルからキャリーオーバーといえる『1KR型』の3気筒で変更なし。新設計の1.5リッターエンジンは「M15A」型で同じく3気筒ですが、初代ヴィッツでは1リッターエンジンも4気筒、先代モデルでも1.3リッターエンジンは4気筒でしたが、ヤリスではハイブリッドもエンジン車もTNGAの思想に基づいた「直列3気筒1.5Lダイナミックフォースエンジン」を搭載しています。

 これはコンパクトカー用TNGAが3気筒エンジンを前提としているためで、GRヤリスの心臓部も3気筒のターボ。ヤリスは3気筒エンジン専用車ともいえるのが、ヴィッツと比べたときの大きな違いです。

 そこで、4気筒から3気筒になったと聞くとマイナスイメージを覚えるかもしれませんが、いまどきのトレンドでいえば”レスシリンダー”といって気筒数を減らすことは機械損失を減らすことにもつながり高効率ユニットへ進化したといえます。

 さらに、1.5リッターエンジン車には、新開発の「発進用ギヤ付きDirect Shift-CVT」を組み合わせているのも注目点のひとつでしょう。

 次のポイントはハイブリッドシステムの進化。先代モデルとなるヴィッツの後期型では、初のハイブリッドを設定しましたが、ヤリスではトヨタお得意のリダクションギア付き2モーター型ハイブリッドが最初から用意されています。さらに、新型ヤリスのハイブリッドには”4WD”が選べるようになっていることも見逃せません。

 ヤリスの4WDシステムは後輪駆動用のモーターを追加して成立させたもので、発電用モーター、フロントの駆動用モーターと合わせて3モーターの、コンパクトカーとしては非常に贅沢なハイブリッドシステム。「E-Four」と呼ばれるハイブリッド4WDは、ベーシックグレードで224万1000円という価格設定なのも魅力といえるでしょう。

 

世界初「GLV-1」認定オイルを採用

 そして、第3のポイントとして挙げたいのは、なんと「エンジンオイル」。コンパクトカーのハイブリッドといえば、燃費が気になるところですが、ヤリス・ハイブリッド(FF)の燃費は、数字的に厳しくなるWLTCモードであっても36.0km/Lと非常の良好。軽量化や空気抵抗の低減といったボディでの工夫もありますが、ハイブリッド車に使われるエンジンオイルの存在は無視できません。

 ヤリス・ハイブリッドに工場充填されるというトヨタ純正の超低粘度エンジンオイルが「GLV-1 “0W-8″」。エンジンオイルの粘度といえば”5W-40″や”0W-30″というものや、最近の省燃費エンジン用でも”0W-16″の粘度表示が多いのですが、ついに「0W-8」という高温型粘度が一桁のオイルが登場したのです。

 このエンジンオイルは最も低粘度のオイル品質規格「JASO GLV-1」の認定を取得した、世界で初めての製品という点でもエポックメイキング。そして、ヤリスが細部までこだわって先進的なメカニズムを採用した、ひとつの象徴と感じます。

 ほかにも注目すべきポイントはあるでしょうが、パワートレインのトピックスを見るだけでも、過去に例を見ないほどチャレンジングなモデル。そんなヤリスもそろそろ街で見かけることも増えてくるでしょう。こだわりの力作が、市街地においてどんなたたずまいや雰囲気をかもし出しているのか、とても気になりますね。

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