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放っておくと大事故の危険も! ブレーキの鳴きの原因と対策5つ

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TEXT: 髙山則政  PHOTO: Auto Messe Web編集部

ブレーキが訴える悲鳴を聞き逃さない

 ブレーキを使っているときや走行中にホイールあたりから異音が出ることがある。この異音は「キー」とか「キリキリ」といった金属の擦れ合うような質の音で耳障りなものが多く、市街地だと歩行者が振り向くなどして、結構恥ずかしいこともある。単に恥ずかしいだけなら一時的で済むが、それがブレーキのトラブルを示しているケースも有り得る。そこで、ブレーキ鳴きの原因と対策について考えてみよう。

ブレーキパッドやローターが摩耗限度になった

 ディスクブレーキのブレーキパッドは使っていると徐々に減っていき、最後は摩擦材が貼り付けられている鉄のベースプレートのみになる。もちろん、そうなってしまっては遅いので、一般的には摩擦材が限度まで減るとセンサーから音を出して知らせるようになっている。

 センサーといっても原理は簡単で、ブレーキパッドのベースプレートに小さな金属片が付いており、それが回転中のディスクローターと擦れて金属音を出す仕組みだ。より凝ったものだと、電気的にセンシングするようになっていてセンサー部がブレーキローターと接触すると電気的に導通してインパネの警告灯を表示する(この場合は鳴かない)。

 走行中ブレーキペダルを踏んだときに急にキーキー音が繰り返し出るようになったら、ディーラーや整備工場に持ち込んで、ブレーキパッドの残量点検を受けたい。この鳴きが初期レベルであれば、ブレーキパッド交換するだけなので費用も安くて済む。

 ただし、すべてのクルマにこのセンサーがあるわけではない。あるいは、センサーが分離できるタイプでは整備時に装着を忘れたり、非純正ブレーキパッドではセンサー自体がないことがある。その場合も、半年や1年といった定期点検時に残量をチェックしておけば大体の交換時期が見通せるので、(サーキット走行や山道を攻めた走りをしない限り)急にブレーキパッドがなくなったということは少ないはず。

 センサーのないタイプで音が出始めたら(センサー付きなら第2段階)、ブレーキパッドが完全になくなってベースプレート自体がブレーキローターと接触している可能性がある。このときは鉄&鉄で擦れ合うのでディスクに通常ではつかない摩耗跡が付き出す。

 通常のブレーキローター面は鈍い光沢があるが、摩擦面の真ん中あたりにグレーの荒れた帯状のスジができているなら、早急にディーラーや整備工場、カー用品店などで点検してもらおう。ブレーキローターは両面あってホイール側ではなく内側面が先に接触することも多いので、点検ではホイールを外しブレーキキャリパーをめくる作業(やらなくても見えるが)が必要となる。

 この状態でも、早期発見ができればブレーキパッドのみの交換で済む。ブレーキパッドがなくなったと言っても初期なら端っこの部分であり、摩擦材の残りがわずかにあるからだ。しかし、これを見過ごして乗り続けると摩擦材が完全に無くなりキーキー音からゴォーとかゴリゴリといった感じの重たい音質へ変化。車体やブレーキペダルにも振動が感じられることがある。こうなると、ディスクへのダメージも大きくなってセット交換となれば費用がかさむ。

 さらに進行すると、ディスク自体が削れて厚みが薄くなり、酷いものだとベンチレーテッドローターの通気口まで削れることもある。鈍感な人は気づかないというか慣れてしまうので恐ろしい。これでもブレーキは効かないかといえば効くし、むしろ効きすぎてしまうかもしれず、不意のブレーキロックなどを起こしか
ねない。

 金属同士が接触していることから火花が容易に出るし、摩擦部からキャリパーピストンへの距離が近くなるのでキャリパーへの熱伝達が増え、異常に発熱した挙げ句に火災に至ることも考えられる。ブレーキフルードは可燃性だし、キャリパー周辺のゴムシールから燃えることもあるのだ。これが車体に広がり消火が遅れれば恐らく全焼するだろう。

 輸入車はディスクも減るタイプが多く、段付き摩耗ができると鳴きやすくなる。この場合、ディスクを研磨するか交換する。

ブレーキキャリパーやパッドの動きが渋い

 ディスクブレーキのブレーキキャリパーには、キャリパーピストンやスライドピンと呼ばれる可動部があって、ブレーキ操作をするとキャリパーピストンが押し出されるとともに、スライドピン上をキャリパーが動いて、両面のパッドを挟む(片持ちキャリパーの場合)。

 ブレーキを踏んでないのに鳴く場合、これらの動きが渋くなって常にパッドとディスクが接触していることがある。5~10年くらい経過した車両なら、キャリパーをオーバーホールしたり、スライドピン部のグリースを詰め直すと復活することがある。

 また、簡易的にはブレーキフルードが溢れないか確認しながらキャリパーピストンを一旦押し戻して、ブレーキペダル操作を繰り返してやると、固着部がゆるくなってキャリパーピストンの動きが良くなる(ペダル操作時は必ずキャリパーを元通りに装着してピストンが脱落しないようにする)。

 また、ブレーキパッドが装着されている溝部が乾燥していたり、錆びていると同様のことが起こるが、一旦取り外してクリーニングしてからブレーキ用の耐熱グリースを塗るといい。必要に応じてステンレス製のガイドレールも交換する。特に降雪地域は塩害で錆びるので要チェックだ。

 これらは整備に慣れた人でないと無理なので、一般ドライバーはディーラーや整備工場に持ち込もう。

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