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10年以上モデルチェンジのない国産車3台の未来、新型デビューの可能性は?

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TEXT: 遠藤正賢  PHOTO: Auto Messe Web編集部

「WLTC排ガス」がひとつのキーワードに

 ユーザーの平均使用年数もモデルチェンジサイクルも長期化する傾向にあるとはいえ、10年以上フルモデルチェンジされていない国産車は少なくない。製品としてはそれだけしっかりとしたものになっている証でもあるが、次期モデルの開発は販売面での採算がどう動くのかが鍵となるだろう。

 その中でも気になる、日産GT-R、三菱デリカD:5、トヨタ・ランドクルーザー200を採り上げ、果たして次期モデルは存在するのか、希望的観測も交えながら予測してみたい。

いまだ一級品の性能を持つ長寿スポーツカー

「マルチパフォーマンス・スーパーカー」として2007年10月にデビューした現行R35型GT-R。登場以来、ほぼ毎年のように改良を積み重ねることで、13年経過した今なお一線級のポテンシャルを保っている。

 心臓部であるVR38DETT型エンジンは、当初の最高出力&最大トルクは488ps&588Nmだったのが、直近の2020年モデルでは570ps&637Nm(標準仕様)、ハイパフォーマンス版の「ニスモ」では600ps&652Nmにまで進化した。

 一方で価格についても、消費税率が違うとはいえ、税込777万円〜834万7500円だったのが、1082万8400円〜1463万円にまでアップしている(ニスモ・限定車除く)。

 なお、次期モデルがあるかどうか以前に、現行モデルがいつまで生産されるのかという問題があるだろう。これはWLTC排ガスおよび燃費モードの適用・表示が、継続生産車でも2020年9月1日以降は義務化されるため、現時点でWLTCモード燃費を公表している車種かどうかが、ひとつの判断基準になるだろう。

 すなわち、WLTCモード燃費に関する試験や型式指定を受けるために、必要に応じてパワートレインの改良を行なうことになるが、現行のGT-Rはこちらのコストをすでに負っている。GT-R(2020年モデル)のスペックを見ると、持ち込み登録車である「ニスモ」を除き、WLTCモード燃費が総合・市街地・郊外・高速道路モードとも記載されている。となれば、その投下資本を回収するためにも、当面の間は生産継続する可能性が高く、しばらく現役であり続けるだろう。

 では、次期型がありうるのか。現行型からはグローバルモデルとなり、日産の頂点に位置し、イメージリーダーとして世界中に広く認知されるようになったGT-Rだけに、このままモデル廃止するのは考えにくい。

 3.5L V6ターボに新開発の4WDハイブリッドシステムを組み合わせて、ホンダNSXと真っ向勝負のモデルになるのではないかとも噂されているが、確度の高い将来像はいまだに見えてこないのが実情だ。

 そして今、日産は、カルロス・ゴーン氏の逮捕・逃亡劇に端を発するお家騒動、そしてゴーン統治下での新興国偏重と台数至上主義によって負った経営上のダメージ回復が急務となっている。その具体策として、先進国市場で長らく滞っているニューモデルの投入も含まれてはいるのだろうが、絶対的な台数と利益には大きく貢献はしないGT-Rだけに、優先順位は低いだろう。

総販売台数がカギとなるデリカD:5

 続いて三菱デリカD:5だが、デビューは2007年1月。FRをベースとしたビルトインラダーフレーム構造を持つ先代デリカ・スペースギアに対し、D:5という車名の通り5代目の現行モデルはFFベースのモノコックボディに一新した。

 環状骨格構造の高剛性ボディと、ロックモードを備えた電子制御4WDを採用。最低地上高も210mmを確保することで、他のミニバンにはない悪路での走破性や使い勝手の良さを兼ね備えた、大幅なモデルチェンジだった。

 ディーゼル車に関しては、車体基盤のプラットフォームをキャリーオーバーしつつもフルモデルチェンジに匹敵するマイナーチェンジを、昨年2019年2月に実施したばかり。この際、WLTCモード燃費を適用しているため、こちらも当面は販売を継続するだろう。

 しかし、マイナーチェンジ前のものが継続販売されているガソリン車は、2019年10月23日に生産終了を発表。現在は在庫車のみとなっている。

 では、果たしてデリカD:5に次期モデルはあるのだろうか。2019年の国内販売台数は2万85台(自販連調べ)。登録車の中では国内最量販車種に成長してはいるのだが、原則的には輸出を想定していない国内専売車である。

 そのため、現行モデル同様にプラットフォームやパワートレインを可能な限り他のモデルと共用しても、年間2万台という販売規模で新規開発し、採算ベースに乗せられるのかは非常に疑問。ひょっとして日産の次期セレナのクロスオーバー仕様となるのであれば、道は大きく開けるとも思われるのだが…。

 

新フレーム構造で新型移行はまもなく

 そしてトヨタ・ランドクルーザーだが、「200系」という型式名が広く浸透している現行モデルのデビューは2007年9月。すでに13年が経過しようとしているが、結論から言えば、遅くとも2020年度内には新型「300」系へと世代交代する可能性が高い。

 それは、あらゆる悪路を走破するサバイバル性能を新型も担保すべく、フレーム構造を踏襲しつつも、「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」の考え方が採り入れられたボディへと進化してゆくはずだ。

 パワートレインは、3.5L V6のガソリンターボにハイブリッド、また同じく3.5L V6のディーゼルターボが設定されるという説が有力。世界でも高い人気を誇る車種だけに、ターゲットとするマーケットによっては、レクサス版の「LX」とは異なるパワートレインが設定される可能性もまた捨てきれないだろう。

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