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ド派手なエアロパーツが減ったのはナゼ? トレンド以外に見えてくる保証や先進装備の問題

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部、モデリスタ

新車購入時にオーダーできるパーツの充実化

 最近、走っているクルマを見て感じること。ひと昔前は頻繁に見かけた、ド派手なエアロパーツを付けた車両が減った気がする。理由は単なるトレンドの流行り廃りだけじゃなく、メーカー系ブランドのエアロパーツの充実化や自動ブレーキなどの安全装備との兼ね合いがあった。

 エアロパーツといえば、スポーツカーやミニバンといった車種カテゴリーを問わない、自動車カスタマイズの定番アイテムである。ファッションや食べ物と同様に、流行に一定のサイクルがあるように思えるが、なかでも流行り廃りと関係なく目にしなくなったのは、純正のイメージを大きく変えるような”派手”なデザインだ。衰退した理由は何なのか、そして復権はあるのか考えてみたい。

 まずは自動車メーカー直系ブランドのエアロパーツが、豊富になったことが挙げられるだろう。かつては地味なモノが多く、”変わった感”を求めるドレスアップ好きにすれば選択肢の対象外だった。ところが、現在はトヨタの「モデリスタ」や「TRD」、日産の「ニスモ」や「オーテック」、ホンダならば「無限」や「モデューロ」といったワークス(系)メーカーが、社外メーカー顔負けの凝ったデザインのパーツをリリース。クルマのデザインが進化したことにくわえ、シンプル系がココ数年の主流ということもあり、メーカー系ブランドが注目を集めたといえるだろう(そもそも純正フォルムの押し出し感が強くなったことも要因か)。

 合法のアフターパーツを取り扱うディーラーも増えたが、やはりメーカー直系パーツという響きはビギナーにとって非常に大きい。さらに”クルマのドレスアップ”がより一般的な趣味となり、新車を購入するのと同時にオーダーする人が増加。納車されてから購入&取り付けするのに比べて、車両価格に含まれるため金利の面でも有利になる。今のご時世にローンを複数も抱えるのは、金銭的だけでなく精神的にも避けたいと思うのが人情。そして、保証に関する問題もあるわけで、絶対にコレというコダワリがない限り、新車購入時にまとめてオーダーできるエアロパーツを選ぶのは当然の流れというわけだ。

 

メーカー保証や安全装備の問題

 もうひとつは安全装備との兼ね合い。自動車メーカー系の手掛けた(ディーラーで取り扱う)パーツだけに、当然ながら車両の安全に関わる部分へ影響がないように設計されている。例えば先進装備のひとつである「ミリ波レーダー」。例えばバンパーごと変えるタイプや、ノーマルから大きく形状が変わるようなデザインでは、それらの装備が誤作動してしまう可能性があるわけで、シンプル系エアロの隆盛に寄与していると思われる。

 また近年のクルマは軽自動車、5ナンバー、それぞれ規定のボディサイズいっぱいに作られているため、規定枠を超えないようなエアロパーツのデザインにすることで頭を悩ませるとも聞く。とはいえ、これらの安全装備に影響しないように工夫を凝らした社外エアロも開発されており、保安基準に沿って製作販売しているケースも多い。

 他にも純正バンパーの下に添える程度の小ぶりなエアロパーツ(リップスポイラー)が注目されており、ディーラーオプションや社外品を問わずに増加傾向。これら様々な事情を踏まえて考えると、メーカー系であっても純粋なアフター系メーカーであっても、シンプルなエアロの流行はしばらく続きそうな予感だ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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