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アメリカの25年ルールで貴重な日本車が海外流出! 2020年、価格高騰が予想されるクルマ3選

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TEXT: 遠藤正賢  PHOTO: Auto Messe Web編集部

クルマの価値は文化的遺産としても跳ね上がる

 原則的に右ハンドル車の輸入が禁止されているアメリカ合衆国において、生産から25年経過したクルマはクラシックカーもしくは骨董品として扱われ輸入が解禁される、通称「25年ルール」がある。

 今年の2020年でみると、「25年ルール」の対象となる25年前に発売が開始された国産スポーツカーがいろいろあるのだ。とくに気になる筆頭格は、日産R33型スカイラインGT-R、ホンダDC2/DB8型インテグラタイプR、三菱CE9A型ランサーエボリューションIII、の3車種である。改めて気づかされる歴史的遺産グルマからは、まさにクルマ文化が味わえるだろう。

歴史が不評を変えてきたR33型スカイライン

 R33型スカイラインGT-Rは、R32型、R33型、R34型の三世代からなる「第二世代」と呼ばれるスカイラインGT-Rの2代目にあたるモデル。

 いずれも基本構造が同じプラットフォームを使用しており、RB26DETT型2.6リッター直列6気筒ターボエンジンや電子制御4WD「アテーサE-TS」、後輪操舵システム「スーパーHICAS」を搭載している。この中でR33型ならではの特徴は、全長とホイールベースが最も長いことだろう。

 R33型スカイラインの前身にあたるR32型は、先々代R31型の反省を踏まえてボディを小型化されるとともに、シャープかつスポーティなデザインが与えられた。これが、GT-Rを含む2ドアクーペのユーザー、ジャーナリスト、レーシングドライバーから歓迎された。

 だが居住性を重視する4ドアのユーザーには著しく狭くなった後席が不評で販売も低迷したため、1993年8月にデビューしたR33型では再びボディサイズを拡大。ホイールベースもR32型より105mm長い2720mmとされた。

 またGT-R同士では、R32型より全長×全幅×全高が130×25×20mm拡大され、4670×1780×1360mmに。だが、その後のR34型スカイラインGT-Rでは、全長×全幅×全高=4600×1785×1360mm、ホイールベース2665mmと、再びボディサイズが縮小されている。

 こうしたパッケージングの変更に加え、1993年の東京モーターショーに参考出品されたR33型スカイラインGT-Rのプロトタイプが、曲線基調の大人しいデザインを採用したことで大不評に。

 その1年半後の1995年1月にデビューしたR33型スカイラインGT-Rの市販モデルはやや攻撃的な顔つきになったものの、基本的なプロポーションは変わっておらず、やはり不評を買うこととなった。

 だが近年は、ホイールベースの長さがもたらす居住性の高さ、そして何より直進安定性の高さが、主に超高速域をターゲットとするドライバーやチューナーから再評価されている。

サーキット走行感覚を流布させたインテグラタイプR

 DC2型(3ドアクーペ)およびDB8型(4ドアセダン)インテグラ・タイプRは、1992年に発売されたホンダNSXタイプRに次ぐ、「タイプR」第二弾。サーキットでの速さを極限まで追求したタイプRが庶民にも手に届く存在となった、記念すべきモデルでもある。

 DC2/DB8型インテグラ・タイプRは、1993年に発売された日本では大不評だった丸目4灯ヘッドライトのフロントマスクの3代目インテグラが、1995年8月のマイナーチェンジで角形2灯ヘッドランプに変更すると同時に追加された。

 エクステリアには大型リヤウィングをはじめとしたエアロパーツを装着するとともに、タイプR専用のボディカラー「チャンピオンシップホワイト」を設定。

 室内にはレカロ製バケットシートとMOMO製ステアリング、チタンシフトノブを装着。サスペンションは、街乗りでの快適性と安定性を犠牲にしてでもサーキットでの旋回性能を重視した専用セッティングが施された。また加速性能とトラクションを高めるべく、クロスレシオの5速MTとヘリカルLSDも採用されている。

 そして極めつけは、専用チューニングのB18C型1.8リッター直列4気筒DOHC VTECエンジンだろう。ピストンとカムシャフト、インテークおよびエキゾーストマニホールド、ECUを専用品とするのみならず、ポート研磨を手作業で実施(前期型のみ)。その結果、ベース車よりも20ps高い最高出力200psを8000rpmという超高回転で達成しているのだ。

三菱をWRC君臨に導いたランエボIII

 CE9A型ランエボIIIは1995年1月に発売。4代目ランサーをベースとする最後のランエボであり、トミ・マキネン選手が1996年にWRCで初めてドライバーズタイトルを獲得したモデルでもある。

 1992年9月発売の初代ランエボから1994年1月発売のランエボIIに進化した際、ボディ・シャシーを大幅に進化させていたため、改良点の多くは4G63型2リッター直列4気筒ターボエンジンのパワーアップと冷却性能向上、空力性能の改善に充てられている。

 

 エクステリアはフロントバンパーの開口部が拡大されブレーキ冷却用ダクトが設けられるとともに、サイドスポイラーやリヤウィングも大型化。エンジンは圧縮比アップやタービン変更などにより、最高出力がランエボIIより10ps高い270psとなった。

 これらのモデルはすでに残存台数も少ないのに加え、25年ルールを見越して販売せず保有しているオーナー・業者が多いためか、中古車市場での流通量はごくわずか。フルノーマルで走行距離が少なく修復歴もないものは、もはや見つけることすら困難だ。本気で購入したいという人は、条件にあう車両が見つかったら早急に現車を確認しに行き、問題がなければすぐに契約できるよう、お金と車庫と心構えの準備をしてほしいものだ。

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