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トランク上のデッカイ羽『GTウイング』 にどんな効果がある? クルマに装備するメリットと注意点

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 遠藤樹弥、Auto Messe Web編集部

空気の抵抗を利用して走行性能を変える

 スポーツカーやレーシングカーでよく見る、トランクに付いた大きな「羽」。リアスポイラーとは明らかに異なる形状で、明らかにタダ者じゃない雰囲気を漂わせている。果たしてどのような効果があるのか、そして成り立ちや車検はパスできるのかをリサーチしてみた。

 純正でもトランクに装着されていることが多いスポイラー。しかし、サーキットを走るクルマやレーシングカーの『羽』は、カタチも大きさも別モノで、通称『GTウイング』と呼ばれている。目的はリアのダウンフォースを稼ぎ、タイヤを地面に押し付けトラクション性能を高めること。日本では1990年代の後半ごろからSUPER GTの前身である、全日本GT選手権のマシンに採用されたあたりから知名度が上がってきた。

 見て分かるとおり「リアスポイラー」とは明らかに異なるデザインで、合法か違法かはさておき効果としては先述のトラクション性能、さらにブレーキング時やコーナリング時の動きを安定化。特にスピードが高まるほど、生み出される効果は高くなりやすい特性を持つ。リアスポイラーやトランクスポイラーも同じ役割だが、その大きさはGTウイングに比べると明らかに小さいといわざるを得ない。

 また、GTウイングは翼面の角度を変更できるため、雨などでより高いグリップが欲しいときは角度を大きく(立てる方向)、空気抵抗やタイヤ転がり抵抗を減らしストレート速度を稼ぐなら小さく(寝かせる)といった、シチュエーションに合わせたセッティングが自在なのも魅力。このようにメリットは多いと思われがちだが、セッティング次第では空気抵抗を増加させたり、ダウンフォースを減らしてしまう逆効果も生じてしまうなど、生み出す効果はシビアであり絶大と言えるのだ。

 なお、GTウイングには車検に関して細かい規定がいくつも存在する。具体的にいうとボディの最後端と最外端からはみ出しておらず、ウイングの端がボディの外側から165mm以内に収まっており、かつ車体と翼端の間が20mm以下であること。加えて溶接など確実な方法で固定されており、エッジが半径5mm以内のアール(丸み)を持つ形状であり、そうじゃない場合は60ショア以下の硬度であること。このように道路運送車両法の保安基準が細かく決められており、文字を読んだだけでは理解できないほど複雑なのだ。

 ナンバー付きの車両で流行り始めたときは、GTウイングを狙い撃ちするような取り締まりも多かったのも事実。しかし、サーキット走行といった走りの性能はアップできるし、見た目のドレスアップ効果も絶大なだけに、近年は車検対応のGTウイングもリリースされている。使ってみたい人は信頼できるプロショップに相談し、合法の枠を逸脱しないように注意しつつ楽しんで欲しい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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