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昭和の自動車カタログで振り返る! 懐かしのCMキャラクターたち

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TEXT: 大内明彦  PHOTO: Auto Messe Web、日産、トヨタ、スズキ

注目度を高めるために有名人を積極起用

 なに気なく目にしている自動車のCMだが、振り返ってみるといろいろな人物がキャラクターとして起用されていることに気づく。どんな人がいたのか紹介してみようと考え、過去のカタログを探してみると、思いのほかキャラクターの露出が少なく、メインは映像、TVCMでの出演が大半であることが分かった。

 そこで手元にあったキャラクターが登場する数少ない昭和のカタログ画像の中から、登場人物を紹介してみよう。

 

スカイラインのイメージアップに貢献

 印象に残るのは、ポール・ニューマンを起用した日産の6代目R30系「スカイライン(R30系)」のCMだった。映像で覚えているのは、オーバルトラックのバンクを疾走するシルエットフォーミュラのレーシングスカイライン。いかにもアメリカらしいシチュエーションだったが、そこにニューマンが登場している。

 ニューマン自身は、映画「レーサー(邦題)」で主役を務めたり、ポルシェ935で1979年のル・マン24時間で2位に入ったりと、モーターレーシング色がきわめて強い俳優。彼をキャラクターに使うとは、日産もかなり気合いがはいってるな、というのが当時の印象だった。CMは、RSターボの印象が強かったが、カタログを見直すとR30系スカイライン全般で登場。”new-man skyline”のネーミングがこれを裏付けていた。

 当時、ほかにも大物映画スターを起用するCMは多くあった。なかでもアラン・ドロンを使ったマツダ・カペラは、クルマより名優の存在感が目立つとも言われた。

 

日産との関わりを深めたきっかけ?

 同じ日産車でも、スカイラインと正反対の路線でCMを作っていたのが「マーチ(初代)」だろう。キャッチコピーは「マッチのマーチ」。マッチ、つまりは近藤真彦のことで、当時売り出し中のマッチと新型車マーチのフレッシュなイメージを重ね合わせることが狙いのCMだった。 しかし、改めて見直してみると、シャレを効かせたけっこうコミカルな作りだったことに気づく。振り返れば、マッチはマーチのCMをきっかけにパルサーでレースを始めたり、R33型スカイラインGT-R(GT-R LM NISMO)でル・マンに参戦したりと、後の日産とのつながりをどんどん深めていくことになる。

 

昭和の大女優がクラウンの「日本美」を演出

 一方、この時代トヨタ車はどうだったかな、と思い出してみると、コロナ(トヨタのクルマ)で映画『007』のジェームズ・ボンド役を演じていた俳優の「ロジャー・ムーア」を、カローラIIでグランドスラム優勝歴を誇るプロテニスプレイヤー「ジョン・マッケンロー」を起用したりと、こちらも大物をキャスティングしていた。

 なかでも「吉永小百合」を起用したクラウンのCMが鮮烈に記憶に残っている。”日本の美”をキーワードに、日本の高級車=クラウン、日本美人=吉永小百合を関連づけ、端正な映像でクラウンのパーソナル色を示唆する最初のCMだった。(上記は吉永小百合さんが登場していないカタログ写真)。

 

小林麻美で清楚イメージを印象付け

 女性キャラクターを立てたCMも少なくなかった。ホンダはシビック・フェリエで「ジョディ・フォスター」、オデッセイでは「ユマ・サーマン」、ライフでは「アシュレイ・ジャッド」と、錚々たるハリウッド女優を起用。一方、これとは反対に「小林麻美」を抜擢したスズキ・アルトのCMは新鮮だった。

 低価格、コストパフォーマンスで売り出したアルトが、2代目にモデルチェンジ。シャレた雰囲気を演出しようと、小林麻美に白羽の矢を立てたケースだった。

 モデル業と両立させながら歌手業を続けていた彼女は、1984年に発表したカバー曲の「雨音はショパンの調べ」が大ヒット。一躍有名になった後でのCMキャラクター起用で、小林の持つ清楚な雰囲気がアルトの商品力を高く見せていた。

 高額商品である自動車は、1台あたりの利益も相当に大きいだけに、各社とも高い商品イメージで1台でも多く売ろうとする姿勢が、CMキャラクターの選定に見て取れる。自動車のCMを1本のドラマとして見られるのは、こうした事情によるものなのかもしれない。

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