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90年代の若者を夢中にさせた「懐かしのライトウェイトスポーツ頂上決戦」

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

テンロクの舞台はレースからストリートまで

 日産スカイラインGT-Rを筆頭とする280psのハイパワー車たちがしのぎを削り、ホンダのシビックやトヨタのレビン&トレノなど、1600ccクラスも熱かった1990年代。群雄割拠という言葉が相応しい、当時のライトウェイト事情を振り返る。

 排気量1300~1600ccの小型車がよく売れていたこともあり、当時のライトウェイトは最先端の技術を投入した、自動車メーカー入魂のモデルが多かった。なかでも最大のライバル関係にあったのが、「シビック」と「カローラ・レビン」および「スプリンター・トレノ」。両モデルとも全国でワンメイクレースを開催すると同時に、N1耐久やグループAといったビッグレースでも熾烈な戦いを繰り広げた。

 4代目シビック(1987-1991)は130psを誇るZCエンジンのEF3、その後マイナーチェンジでVTECの名機”B16A”を搭載した『SiR』を投入。一方、トヨタのAE92型レビン&トレノ(1987-1991)はAE86以来の4A-GEをブラッシュアップし続け戦うも、レースの結果だけを見ればシビックに一日の長があった。

 もっとも市販車としての魅力はまた異なる。トヨタはAE86時代ならレビン&トレノに加え3ドアと2ドア、後継のAE92になるとボディ形状こそ2ドアに統一したが、スーパーチャージャー付きの”4A-GZE”で、NAとはまた異なるエンジンが魅力だった。

 その後シビックのエンジンはEG6(5代目)~EK4(6代目)と同じB16Aが続き、EK9で「タイプR」の名称とともに185psを発揮する”B16B”を搭載。対するトヨタはレビン&トレノの最終モデルAE111(7代目)でNAが165ps、スーパーチャージャー付きはAE101の170psというのが最終スペックだった。

 なお、同じエンジンを搭載したモデルでは、ホンダがショートホイールベースで軽量をウリにした「CR-X」と、シビックよりも先にVTECを搭載したDA6型「インテグラ」が存在。トヨタの4AGはハッチバックの「カローラFX」、ミッドシップのAW11型「MR2」などバリエーションが非常に豊富だった。

 

日産や三菱にもあった、ご機嫌な”テンロク”

 他メーカーでは三菱の「ミラージュ」も忘れてはいけない。VTECと同じ可変バルブタイミング機構の”MIVEC”エンジンは、CA4A型の”4G92″で175psとシビックに匹敵する戦闘力を確保。次期型のCJ4A型を含めワンメイクレースはプロドライバーの登竜門とされ、頑強なサスペンションやボディを武器にダートトライアルでも活躍した(下写真はミラージュRS)。

 また、時代的にはやや遅れを取ったものの、同じ1600ccながらライバルを圧倒する200psを絞り出す”SR16VE(赤ヘッド)”エンジンを武器に殴り込んだのが日産。このN15型「パルサー VZ-R N)」は、名の通りN1耐久レースのベース車両としてのモデルではあったが、標準型でも175psと数値的には他メーカーに引けを取らない。

 最後はクラスでいうとひとつ下になる、トヨタのEP82/91型「スターレット・ターボ」。排気量は1300ccだがパワーアップしやすくボディは超軽量、ワンメイクレースのおかげでパーツやノウハウが豊富で、しかも価格は安くイジって遊ぶには最適な素材だった。チューニングカーの草レースやタイムアタックでは、1600ccどころか2000ccクラスに並ぶこともあったほどだ。 一世を風靡したライトウェイトの争いは2000年代に入ると、ヴィッツ/フィット/デミオ/スイフトと1500ccクラスで再び勃発。昔よりエコロジー色を強めてはいるものの、メーカーが技術の粋を競い合う姿は当時を想起させる。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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