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なんと曲がる特性まで変わる! 重要すぎるクルマの「タイヤの空気圧調整」

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

サーキット走行で重要なのは“温間の空気圧”

 一般的に「タイヤが空気圧に依存する割合は90%」といわれている。空気圧を適正に管理することの重要性は、公道でもサーキットでも変わらない。ただし、公道とサーキットでは「適正な空気圧」の条件がちょっと違う。公道を走るときは『冷間』と言って、タイヤが冷えている状態で自動車メーカーの指定空気圧に合わせるのが基本だ。

 一方、サーキットを走るときに重要なのは『温間』の空気圧で、コースを数周走ってタイヤが十分に温まった状態で空気圧を計測し、管理をすることが大事となる。サーキットや車種、タイヤにもよるが一般的なスポーツラジアルの場合、コースを3~4周すると空気圧が冷間時より30kpaぐらい高くなる。

 そのタイミングで一度ピットインして空気圧を計り、四輪が同じ空気圧になるよう調整するのが基本。温間で230~250kpaの範囲に収めるのがひとつの目安だ。それ以上空気圧が高くなると、タイヤがよれず、表面が滑るようになって、タイムがドロップしはじめる。

 逆に空気圧が低いとハンドルを切っても初期の反応が悪く、タイヤがよれて、ひと呼吸遅れてからグリップをするので、乗りにくいしタイムも出ない。

 サーキットビギナーの人は、まず冷間でクルマの指定空気圧に合わせてコースインして、5周ぐらい走ったらピットインして、温間で指定空気圧の110~120%ぐらいになるように四輪の空気圧を合わせてみよう。

 ある程度経験のあるドライバーなら、冷間で210kpaぐらいから走りはじめ、数周走って「ちょっとタイヤがタレてきたかな」と感じたら、ピットインして空気圧をチェック。その時点の空気圧だとちょっとピークを越えているので、10kpaぐらいエアを抜いてみるといい。

 なお、乗り方によっても空気圧の上がり方は違う。フロントタイヤに頼り気味の人は、フロントの空気圧が上がりやすく、リアを振り回し気味に乗る人はリアの空気圧が上がりやすい。駆動方式がFRの場合、基本的には四輪の空気圧が同じような上がり方になるのがベター。FF車ならリアを10~20kpa高くした方が旋回性がよくなって乗りやすい。

 空気圧は低い方がグリップ感はあるが、転がり抵抗が増え、負荷能力も下がるのでタイヤには辛い。一方、空気圧が高いとしっかり感があり、初期の反応がよく、コントロール性もいいが接地面積自体は狭くなるので、絶対的なグリップ力はダウンする。だからこそ、ちょうどいいバランスを見つけるのが、けっこう重要。

 アンダーステア、オーバーステアに対しても、空気圧の調整である程度のセッティングが可能で、ちょっとアンダー気味なときは、リアの空気圧を10~20kpa上げてみる。逆にリアが滑り気味でもう少し限界をなだらかにしたいときは、リアの空気圧を10~20kpa下げてみるといい。

 またハンドルを切ったときにフロントがよれて逃げるようなら、空気圧をアップ。しっかり感はあるけど滑るようなときは、空気圧を下げるのが基本だが、どちらかというと、フロントは決め打ちにして、リアの空気圧を上げ下げして、セッティングをイジってみるのがおすすめだ。

 注意したいのは、サーキット走行を終えて帰路につく前に、冷間で指定空気圧に戻しておくことも忘れずに行いたい。

 街乗りオンリーだったとしてもタイヤの空気圧は、1ヶ月間で10~20kPaも自然に抜けてしまうので、月に一度は空気圧のチェックを行い、適正空気圧に合わせること。手軽に無料で調整できる空気圧だが、その影響は非常に大きいので、空気圧に関心を持って、いつもタイヤの性能を最大限引き出せるように工夫してみよう。

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  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • 藤田竜太(FUJITA Ryuta)
  • モータリング ライター。現在の愛車:日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)。物心が付いたときからクルマ好き。小・中学生時代はラジコンに夢中になり、大学3年生から自動車専門誌の編集部に出入りして、そのまま編集部に就職。20代半ばで、編集部を“卒業”し、モータリング ライターとして独立。90年代は積極的にレースに参戦し、入賞経験多数。特技は、少林寺拳法。
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