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シルビア・セリカのオープン化は当然! 激速タクシー専用車まで作っちゃう国産メーカー直系カスタムの強烈度

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TEXT: 遠藤イヅル  PHOTO: トヨタ自動車,日産自動車,本田技研工業,マツダ

個性を際立たせたメーカーのカスタムカー

 国産自動車メーカーが自ら製造販売していたカスタムカー。前回は海外メーカーとの協業で生まれたクルマをご紹介した。後編では、国産自動車メーカーが系列会社や架装メーカーにカスタマイズを依頼して誕生した、オープンカーやスポーツカー、レトロ調に装われたメーカー純正カスタムカーなどを集めてみた。

手間をかけて作られたオープンモデルたち

 国産車にもオープンカーは数知れず存在するものの、基本的にはバリエーションに含まないこともあり、オープン化を別会社に依頼することが多いため、いわばメーカー純正のカスタムカーである。

 日産のスペシャリティカー・シルビアには、5代目・S13型と7代目・S15型にオープンボディのカスタムモデルが用意されたが、この製造を手がけたのは、日産車のカスタマイズを担当するオーテックジャパンだった。S13型は布製ルーフの「コンバーチブル」、S15型では電動格納可能な鋼製ルーフを持つ “クーペカブリオレ” の「ヴァリエッタ」が作られ、販売が行われた。

 トヨタでも、セリカの4代目(ST160型)から6代目(ST200型)の3世代にかけて「コンバーチブル」をラインナップした。この製造方法はさらに凝っており、アメリカの架装のメーカー「ASC(American Sunroof Company、現:American Specialty Cars)」に日本から車体を送り、同社でオープン化・電動開閉式のソフトトップを取り付けていた。たいへんな手間をかけて作っていたのである。

 このほかASCが関与した国産オープンカー車には、サイノス・コンバーチブル、日産 フェアレディZ(Z32型)コンバーチブル、三菱エクリプス・スパイダー、三菱 3000GTスパイダー(日本名GTO。日本ではオープンモデルの発売無し)など、その種類は多い。

 続いては「意外なところで作られた国産オープンカー」。それが、初代ホンダ・シティ・カブリオレだ。

 イタリアの名門カロッツェリア・ピニンファリーナが、幌のデザインやオープン化のアレンジを担当したことでも知られる。ピラーに貼られた「pininfarina」のロゴは、同社がデザインを行なったクルマの証で、筆者は大いに憧れたものだ。

 さて、シティ・カブリオレの生産は東洋工機というメーカーが行なっていたのだが、この会社は1995年に「パジェロ製造」に社名を変更、のちに三菱の完全子会社になっている。シティ・カブリオレを作っていた時はすでにパジェロの一貫生産を引き受けていたため、パジェロとシティが同じ工場から出荷されていたということになる。

 

4ドア化やクーペ化など、ボディ加工によるカスタマイズも 

 アフターマーケットで行われるカスタマイズのアイデアはとても自由だ。オーバーフェンダーを取り付けたり、高性能エンジンにスワップしたりターボを装着して性能をあげることも多い。でも、メーカーが本気で純正でカスタムカーを作ると、時にはアフターマーケットのそれらを上回るとんでもないクルマができあがる。

 有名なクルマでは、オーテックジャパンが1998年に作り上げた限定車、日産 スカイラインGT-R 「オーテックバージョン 40th アニバーサリー」があげられる。これはズバリ「4ドアセダンのR33型GT-R」だ。

 ご存知の通り、ハコスカ以降のスカイラインGT-Rに4ドア版は存在しないため、この4ドアGT-Rも通常のR33型4ドアセダンをGT-R化したものと思われてしまうかもしれないが、さにあらず。なんとベースは2ドアのGT-Rで、4ドア化にあたっては豊かな膨らみを持つGT-R用にリアフェンダーやリアドアのプレス型を新規で作ったというのだから、オドロキだ。

 そしてもう一台、オープンカーのマツダ ロードスターをクローズドクーペにしてしまった純正カスタムカーがある。それが2003年登場の「ロードスタークーペ」だ。

 2代目ロードスターのNB型をマツダの架装・特装車部門「マツダE&T」が流麗なクーペに仕立て上げたクルマで、まるで当初からデザインしてあったモデルのように、とても自然に、しかも美しくクーペ化されている。このほかマツダE&T では、NB型にターボを搭載した「ロードスターターボ」の開発・販売もしていた。

 

トヨタにもメーカー純正カスタムカーがいっぱい 

 堅いメーカーと思われがちなトヨタは、実は隠れたカスタムカーメーカーで、しかも作られたクルマは本格的だ。まずは2000年に1000台限定で発売されたオリジンから。

 プログレをベースに作られたオリジンは、外観が初代クラウンをイメージしたスタイルに改められており、プログレの面影は皆無。ドアも観音開きになっているだけでなく、内装ではノーマルのプログレよりも工作精度を上げていた。しかもこれらの仕上げはセンチュリーの生産を行う熟練職人が手作業で行っていたといい、その凝りっぷりのため価格はセルシオよりも高価な700万円に達していた。

 かつてのモデルを再現したトヨタ車は他にもある。トヨタ初の純国産乗用車「トヨダAA型」を再現したクルマ、クラシックである。

 1996年にトヨタテクノクラフトによって100台限定で製造された。キャビン前半とダッシュボードに、ベース車の5代目ハイラックス・ダブルキャブの面影が残るものの、クラシカルな外観はトヨダAA 型のイメージをしっかりトレースする。室内は本革シートや木目調パネル、ナルディのウッドステアリングが備えられ、快適装備も充実していた。

 ラストは、タクシー専用車として生を受けたコンフォートを、トヨタテクノクラフトがガチ・チューンした「コンフォートGT-Zスーパーチャージャー」で飾ろう。

 エンジンはガソリン仕様のノーマルとなる3S-FEのままだが、ルーツ式スーパーチャージャーにより最高出力はなんと160psまでアップ。専用マフラー、スポーツサスペンション、スタビライザー、ストラットバー、専用ブレーキ、フロント/リヤスポイラー、ワタナベの8本スポークホイールなども装備していた。生産台数は試作車含めて60台と言われる。実用に徹した「ハコ車」をいじるという、1970〜80年代のチューニングセダンらしいコンセプトを再現しており、今尚その魅力は色褪せない。

 このほか、マツダの系列会社「M2」によって生まれたユーノス ロードスターのカスタムカー、オーテックジャパンが架装した日産 セドリック/グロリアの「ストレッチリムジン」やセドリックタクシーの後席屋根の一部が上に開く「ブライダルセダン」など、取り上げたい車種は数知れない。こちらは、また別の機会でご紹介したいと思う。

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