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「万が一」の時ほど性能差が出る! パッと見は同じな「4輪用」と「2輪用」のヘルメットの違いとは

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: Auto Messe Web編集部

4輪のモータースポーツを楽しむなら専用ヘルメットが安心

 サーキットで必要な装備のひとつがヘルメット。最初はすでに所有していたり値段が安いなどの理由で、2輪用を被って走る人が大半かもしれない。しかし本来であれば4輪用のヘルメットを使うのがベストで、それには聞けば誰もが納得するはずの理由があるのだ。

2輪用のほうが手軽に用意できるが…

 ビギナー向けの走行会を見学すると、大半の人は2輪用ヘルメットだ。免許を取得する年齢的な順番を考えれば、すでに2輪用のヘルメットを所有している人も多いはず。また2輪用のヘルメットはメーカーや種類を問わなければホームセンターで売っており、価格も比較的リーズナブルなので手を出しやすい。

 対して4輪用はプロショップでも在庫があるケースは少なく、機能や構造の違いもハッキリいって分かりにくいうえ、走行会の規則には大概「半キャップ以外のヘルメット」と書いてある。「それなら別に2輪用で良いだろう」と思うのは当然かもしれない。しかしメーカーが2輪用と4輪用を個別に設定するのは、当然ながら正当な理由があるからだ。

耐火・難燃性が求められる4輪用

 まずはヘルメットに求められる性能を考えてみよう。耐衝撃性は誰もが思い付くし2輪でも4輪でも必要だが、より重要度が増すのは転倒しライダーが投げ出される2輪用。また身体の動きが激しく4輪より汗をかく量が多いことから、高い通気性も求められるのが2輪用ヘルメットだ。

 対して4輪用が想定しているのは、クルマが炎に包まれる車両火災。そのためレーシングスーツなどに使うのと同じ、難燃性の素材を内部に採用しているのが大きな違いだ。

 耐火性でいえば開口部の大きさも違う。2輪のライダーは身体を動かす範囲が大きく、広い視界を確保しなければならない。しかし4輪用は姿勢の変化が少ないため2輪ほど大きな開口部は必要なく、かつ車両火災で炎が内側に入るのを防ぐ効果があるから、開口部は狭く設計されているのが一般的だ。さらに4輪用は耐火性を高めるためバイザーを分厚くしたり、あごひもを難燃性の素材にするといった工夫もみられる。

4輪用は「HANS」対応モデルが普及

 もうひとつは今後の安全装備におけるスタンダードになるであろう、「HANS」対応モデルがあるのも4輪用の特徴。HANSとは「Head and Neck Support」(頭部前傾抑制装置)」を略した言葉で、主にカーボンで製造したサポーターであるHANSを首に装着し、ヘルメットと強度のあるひもで繋ぎ事故の衝撃から頸椎を守る装置のこと。以前の4輪用ヘルメットは後からHANS用のアンカーを取り付けていたが、最近のモデルはHANSの普及に伴いアンカーが標準装備されている。

 このように4輪用ヘルメットはクルマで起こり得る事故やトラブルを考慮し、ドライバーの生命を守るさまざまな工夫が盛り込まれているのだ。こうした事実を知れば「2輪用でいいや」なんて言えない!

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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