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バブルの申し子「13クラウン」が30年落ちなのに高い! 人気の秘密とは

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TEXT: 岩田部屋  PHOTO: Auto Messe Web編集部

押し出し感あふれるスタイリングと豪華な装備で人気を博す

 1980年代後半、バブル景気真っ只中のこの時代はとにかく活気があった。自動車メーカーも当時は勢いがあり、数多くの名車を世に贈り出した。特に高級セダンはコストカットを考えず最先端の技術を投入して作られており、いかにも「高級車に乗っている」感が味わえることから今も人気が高い。

 日産が1988年に初代シーマを発売して、高価格帯でありながら飛ぶように売れたことは以前もお伝えした。一方トヨタはひと足早く1987年にクラウンの8代目、130系を発売開始。まだセルシオもなければクラウンの派生モデルであるマジェスタも生まれる前、トヨタの最上級ドライバーズセダンと言えばクラウンという固定概念が付いていた時代である。エアサスペンションやエレクトロマルチビジョンなど高級車に相応しい最新装備を数多く導入し、バブル景気も後押しして当時としては歴代クラウン最高の販売台数を達成した(1990年)。

 1991年にフルモデルチェンジで140系に移行したが、こちらは丸みを帯びたボディラインが不評で販売台数も振るわず、ライバルに大きく水をあけられる格好となってしまった。

 大ヒットした130系の存在が偉大だったことを、改めて知ることとなった。

 現在でも130系クラウンは人気が高く、Y31系シーマと同様に中古車市場では高値傾向にある。今回は130系クラウンにスポットを当て、クルマの特徴や中古車市場の動向を追っていく。

エンジンのバリエーションが多かったのも特徴のひとつ

 クラウンと言えば「いつかはクラウン」というキャッチコピーが有名だが、それが採用されたのは7代目の120系。重厚感のある角張ったフォルムが特徴で、その後クラウンの高級グレードとして定着した「ロイヤルサルーン」はこの型から導入された。

 1987年9月にフルモデルチェンジした130系は先代の面影を残しつつ、曲線も上手に取り入れてより洗練したスタイリングに生まれ変わった。4ドアモデルはハードトップが3ナンバーのワイドボディ、逆にナローボディの5ナンバー車はバンパーやグリルのデザインなどが異なり、一目で違いが分かりやすかった。ハードトップ以外にはセダンの設定もあり、こちらは法人やタクシーなどに需要があった。

 1989年8月にはマイナーチェンジを実施。グリルやフォグランプ、バンパーなどのデザインを変更して質感を向上させた。カラーリングもシルキーエレガントトーニングやブラックトーニングGなど、俗に言うツートンカラーが採用されて高級な雰囲気を演出。5ナンバー車も継続で販売されたが、ワイドな3ナンバーボディに2リッターエンジンを搭載したモデルが追加され、エンブレムやエンジンなどを見ない限りは違いが分からなかった。

 前期型のエンジンは2リッターと3リッターがメインとなり、2リッターのみスーパーチャージャーの設定があった。マイナーチェンジで最上級グレードのロイヤルサルーンGにトルクフルなV8の4リッターエンジン(1UZ-FE)が追加され(写真)、このエンジンは後に10系セルシオや14系マジェスタなど多くの高級車に搭載された名機となる。さらにマイナーチェンジから1年が経った1990年8月、2.5リッターの1JZ-GEエンジンを搭載したモデルがデビュー。3リッターも継続して販売されていたので、ユーザーの選択肢がさらに増えた。

 足まわりはロイヤルサルーンGのみ、電子制御のエアサスペンションを採用。どんな路面状況でも高い走行安定性と快適な乗り心地を実現する、スプリングに変わる画期的なサスペンションとして注目を集めた。この技術は後に多くのトヨタ製高級セダンに導入されている。安全性においてもABSやトヨタで初めてとなる運転席エアバッグの採用など、先進技術が非常に豊富だった。

 内装もクラウンらしくゴージャスな仕上がりとなり、デジタル表示のデュアルビジョンメーターやハンズフリー機能、リアの分割式パワーシートなど数多くの装備を取り入れている。エレクトロマルチビジョンや本革シートなど、ステータス性が高いオプションも用意された。内装色はベージュ系が主流だが、他には青系やワイン系の設定もあり、高級ラウンジのようなくつろげる空間に仕立て上げている。

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