3)マークX GRMN
「大パワー+MT+後輪駆動」。それは走り好きにとっての理想のひとつといえるだろう。しかし、21世紀に入りその条件を満たすセダンはどんどん数が減り、2010年代になると希少種となってしました。
そんななか、メーカー自らの手で特別なモデルとしてそれを実現したのが「マークX GRMN」だ。
「マークX」は後輪駆動の上級セダンであり、上位モデルのエンジンは排気量3.5LでV6の318ps(GRMN初代モデルは321ps)と高出力。ただし通常モデルにはATしか用意されていないのだが、「せっかくなので究極のスポーツセダンを作り上げよう」とメーカーの手でMTに架装して限定発売したのだ。
2015年の最初のモデルは100台、マークXの終了記念モデル的に2019年に復活したモデルは350台が限定発売された。いずれも徹底したスポーツセダンとして開発され、車体やサスペンション、そして内外装など幅広く手が入っている。
購入するなら程度のいい個体があるうちに手を打ちたいが、きわめて少量生産かつ特別なモデルなので、中古車相場は高値安定中だ。
いま、セダンは日本でも販売台数が減っている。さらに高性能モデルの人気も昔ほどは盛り上がらず、日本メーカーから本気のスポーツセダンが世に送り出されるのは難しいだろう(上記のうち新型が登場しそうなのはスバルWRXのみ)。そう考えると、楽しむなら今のうちなのは間違いない。