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「服部レーシングE」16号車はクラッシュを喫すもポイントは獲得【2020 NASCARトラックシリーズ 第19戦】

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TEXT: 青山義明(AOYAMA Yoshiaki)  PHOTO: Hattori Racing Enterprises

プレイオフ・第2ステージ進出を確定

 アメリカでもっとも人気のある自動車レース「NASCAR(ナスカー)」の3大シリーズのひとつである「GANDAR RV&OUTDOORS TRUCK SERIES(トラックシリーズ)」へシリーズタイトル獲得を目指し、服部茂章代表率いる「Hattori Racing Enterprises(HRE)」は、若手ドライバーのオースティン・ヒル選手とともに、挑戦を続けている。#16 United Rentals TOYOTA タンドラ 新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け、今季のナスカーの全シリーズは、一時レース自体を中断することもあったが、現在は無観客で、さらに練習走行や予選セッションを行わない決勝だけのレースフォーマットを採用している。

 レギュラーシーズンに続き、プレイオフの第1ステージの最終戦となるシリーズ第19戦「Chevrolet Silverado 250」が、10月3日(土)、アラバマ州タラデガで開催となった。このプレイオフ第1ステージは、前々回のブリストル、前回のラスベガス、そしてこのタラデガ戦の3戦でプレイオフに進出した10名のドライバーから8名へと絞られることになった。

もっとも深いバンクを持つサーキット「タラデガ」戦

 タラデガ・スーパー・スピードウェイは、1周2.66マイル(4.28km)のトライ・オーバルコース。バンク角は33度とナスカー開催サーキットで最も深いバンクを持つサーキット。ピットに戻るとき以外レース中はブレーキをほぼ使わない超接近戦のドラフティング合戦が繰り広げられるコースである。

 これに参戦するHREのタンドラ「#16 United Rentals TOYOTA TUNDRA」は、くじ引きで決まった2番グリッドから、午後1時からのレースをスタートさせた。この決勝レースは、第1ステージ20周、第2ステージ20周、そして最終ステージが54周という3ステージ制の合計94周で争われる。タラデガ・スーパー・スピードウェイのNASCARトラック HREの16号車を駆るヒル選手は、スタートグリッドのアウト側の隊列をキープしながらレース序盤を進めていく。5周目にはその隊列が1列になり、ここでヒル選手はトップに立ちレースをリードしていく。

 しかし、この第1ステージ終盤、チャンピオン争いを展開している2号車がヒル選手に並びかけ、2号車の左リヤと16号車の右フロントが軽く接触してしまいヒル選手は失速。これで4番手へとポジションを落としたものの、ここで後続でも多重クラッシュが発生しレースはいったん中断。第1ステージ残り1周となる19周目からレースはリスタートとなり、4番手から一気にトップに踊り出た16号車はそのままチェッカーを受け、ステージ優勝を決めて貴重なポイントを獲得する。超接戦のタラデガ・スーパー・スピードウェイのNASCARトラック このステージブレイクでは、チームは給油とタイヤ2本のみの交換で16号車をコースに戻し、ヒル選手は9番手から第2ステージをスタート。ヒル選手はこのスタートでも見事にポジションアップを果たし、5番手でレースを展開し、最終的に4位でこの第2ステージを終了。このステージブレイクでは給油とタイヤ4本交換でコースに戻り、HREの16号車は8番手で最終ステージへと向かうこととなった。

 そして迎えた最終ステージのリスタートが45周目に切られると、HREの16号車はすぐさま7番手にポジションを上げる。48周目に前を走る車両がエンジンブローで失速したことで、その後ろの列を走っていた車両が接触を避けようとし、ヒル選手の目の前で1台がスピン&クラッシュ。ヒル選手はこれへの接触を回避し8番手をキープ。54周目にそのリスタートが切られると、またも見事なスタートダッシュで5番手に順位を上げる。さらに翌周には3番手に上げ、57周目には2番手に浮上し、トップを捕らえたかたちで周回を重ね、最後のピットストップのタイミングを探ることとなった。

痛恨のペナルティを跳ね返す残り2周へ

 しかしこのタイミングでうまくイエローコーションは出ることはなく、64周目のグリーンフラッグ下に、ヒル選手はピットに戻り、給油のみのピットストップでコースに復帰するも、ここで痛恨のピットスピード違反の裁定を受け、翌周にピットスルー・ペナルティを受け27番手にまで順位を落とすこととなってしまう。

 ヒル選手は一時的にはトップからは半周遅れまで引き離されることとなったものの、ここから怒涛の追い上げを見せる。85周目に19番手までポジションを挽回し、87周目にはイエローコーションが出されたことでトップグループの背後に着くことに成功。チームは最後の逆転を狙い、ここで4本のタイヤを新品に交換を決断、16号車は18番手から残り2周のレースにかけることとなった。ラスト2周にかける4本のタイヤ交換ピットイン

 そしてリスタートが切られると15番手にポジションを上げたヒル選手は、さらにスピードを乗せて行くが、最終ラップにトップグループのすぐ後ろで6台を巻き込む大クラッシュが発生し、ヒル選手はこれを避けるようにイン側のラインを取るが、スピンしたマシンに目の前を塞がれる形でこれに正面から追突。レースはその時点で終了となり、フロントに大きなダメージを負った16号車は19位でレースを終えることとなった。

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