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シミュレーターは「リアルレース」に役立つ? 初体験の「もてぎ」で実際に試してみた「驚き」の結果とは

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TEXT: 岡田幸一  PHOTO: 岡田幸一、とりせんせ、N-ONEオーナーズカップ事務局、Auto Messe Web編集部

一度も走ったことのないコースで実際に試してみたら、なんと!!

 ワタシは、今年から ホンダN-ONE OWNER’S CUPに出場している。ターボエンジン&CVTのN-ONEにのみ、出場権が与えられたワンメイクレースのことだ。シリーズにはツインリンクもてぎでのレースが組み込まれているのだが、じつは、現実では一度も走ったことのないコースのひとつ。 走ったことがナイとくれば、レーシングシミュレーターが大いに役立つはず。少なくとも、諸先輩たちが口をそろえて、そう、仰っている。そのお言葉をしっかりと受け止め、シミュレーター練習だけで、本番のレースウィークはどこまで行けるかを、かなり真面目に試してみた。

●N-ONEワンメイクレースとは?

 N-ONE OWNER’S CUPは、軽自動車がベースになっていることもあり、ほかのレースに比べてコストがかからないため「気軽に参加できる」というのが、圧倒的な魅力になっている。それでいて、JAFが発給するドライバーライセンスのAライが必要な公式戦であることも、軽自動車のレースと言えど、高いステイタスが与えられていることも特筆すべき点だ。

 さらに、多くの参加者たちをトリコにしているのが開催場所。世界最高峰のF1レースが開催される鈴鹿サーキットをはじめ、十勝、SUGO、もてぎ、富士、岡山国際、オートポリスなど、FIA公認のいわゆる国際レーシングコースが舞台になっているのだ。そう、そのF1、そしてスーパーフォーミュラやスーパーGTと同じコースを走れるというわけだ。全国を転戦し、自分自身が今度はレーシングドライバーとして、憧れのワンシーンとオーバーラップさせるといった楽しみも、N-ONEワンメイクレースにはある。

●国際コースだからこその悩みをシムが解決

 しかし、舞台が国際レーシングコースとなると、困るのが練習のために走行できる機会の少なさ。主催者が用意してくれる、公式練習もあるのだが、どうしても日程が限られてしまう。また、遠方のサーキットになると、移動費だけでも高額出費がかさみ、各地のサーキットライセンスが必要になる場合も含めれば、「気軽にレースをしたい」という志に対しても本末転倒になってしまう。自分の場合が、ま・さ・に、そう。

 そんな、機会的だったり、費用的な悩みを一気に解決し、練習不足を補ってくれるのが、今回の主題となる、レーシングシミュレーター(Racing Simulator)という装置だ。略して、レーシングシムとかレースシムと呼ばれている。

 そのレースシムとは、我々の末端レーサーはともかくとして、F1パイロットはもちろん、世界のレーシングドライバーたちが本番前にトレーニングするための本格的なヴァーチャル シミュレーターを目指して開発されてきた流れを汲むもので、ゲームとは違ったリアルさ(いかに実車の動きに近いか)がイチバンのポイント。

 自分にとっては、レーシングシムで事前にトレーニングができるということも、N-ONEワンメイクレースに出場する大きなきっかけにもなっている。本気で上位を狙うというよりは、一度も走ったこともないサーキットだとしても、最低限、コースレイアウトぐらいは頭に入るだろうという算段だ。

●軽カーが唯一選べる「アセットコルサ」

※写真は JeGT GRAND PRIX の PlayStation グランツーリスモSPORT

 レーシングシムは、ハンドルコントローラー(ハンコン)、シフトレバー、ペダル、シートなどをフレームを用いて一体化させ、パソコン(ゲーミングPC)、ディスプレイ、スピーカーなどで構成されるのが基本のようだ。これらを総称して筐体(きょうたい)と呼んだりもするが、よりバーチャル度合いを高めるために、Gを感じるべくシートが動くものなど、多数のバリエーションが存在する。

 もちろんこれに、レーシングシムのソフトウェアをインストールしないと、はじめられないワケだが、自分のようにN-ONEレースを目的としてトレーニングしたい人のために、世界で唯一軽自動車のレーシングカーでシム体験できるのが「アセットコルサ」というソフト。

 その軽自動車のレーシングカーMOD(追加のデータパック)になっているのが、HA23V型式のアルトバン(※画像の中のL275V ミラバンは開発中)。これは、東北660選手権というNA車両のみで争われる軽自動車のレースに実際に出場しているファイターやアルトオーナーたちが自然に集まって、いわば有志となり制作されたものなのである。N-ONEとはもちろんクルマは違うのだが、パワー感や速度感、ハンドルを切ったときの動きは、本当にリアル。50馬力もないような軽自動車の商用バンでさえ需要があるのは、ゲームではなくレーシングシムたる所以だ。

 アルトバンMODのリアルさを追求するため、挙動監修役として有志に加わった、東北660ファイターのひとりによると、「無償配布しているのは、元々が商用に開発されたものではなく、オンラインでも身内で東北660選手権がやりたかったというのが始まりです。このMODの最大の価値は、スタンダードな車種(レーシングカーやフォーミュラ)ではない軽自動車という日本のローカル車両がベースになっている点です。FITやヴィッツのMODではFFの挙動はつかめても、軽自動車とは速さが違いすぎてブレーキやステアリングの切り込むタイミングなどに大きな違いが出てしまいます。コースを覚えるトレーニングにプラスして、FFの挙動(しかもオープンデフ)、ブレーキ、ステアリングなど、レースカーを操るために必要なすべての要素が詰まったMODだと思っています」と話す。

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