プリウス以外の「時代を映し出す」90年代受賞車
あとの9台の受賞車は、姿を消した車種といえなくもない。三菱自のディアマンテ、ギャラン、FTOはもはや懐かしい思い出でしかないクルマだ。 アコードやシビックの存在感は、日本市場ではほとんどなくなっている。日産マーチも同様だ。アルテッツァはレクサスISと車名を変え、ヴィッツもヤリスに替わった。
それでも、ギャランはアクティブ・ヨー・コントロール(AYC)と呼ぶ電子制御による姿勢制御や、今日では常識化したガソリン直噴エンジンの量産化を実用化した。
アルテッツアは前輪駆動に統一されていた小型車に後輪駆動の道筋をつけ、ヴィッツは欧州車風の小気味よい走行感覚を持った小型ハッチバック車との位置づけを明確にしたというような、技術的影響力を持っていたといえる。
とはいえ冒頭に述べたように、バブル経済が崩壊したあとの日本、そして国内自動車メーカーの混迷の様子が、色濃く記されたのが、90年代の日本カー・オブ・ザ・イヤー歴代車種である。