愛車の存在をアピールした時代
流行は時代を写す鏡とはよく言うけど、歴史を振り返ってみれば、クルマにも幾多の流行が起こっては消えていった。そのなかでも昭和時代のカスタムというのは、クルマが輝いていた時代だけに、今では考えられないようなものも流行った。こんなものがなぜ!? というのもあったけど、それも時代。今回はそんな昭和カスタムを振り返ってみよう。
1)チンスポ・オーバーフェンダー・ワークスフェンダーなど
今みたいにエアロなんていう気が利いたものはなく、レース車両を真似たものばかり。もちろん空力なんて関係なく、かっこよければよかった。気軽に装着できたのが、バンパーの下に付けるチンスポで、ワイド化するとオーバーフェンダーを付けたりした。さらに激しいのが、非常にワイドなワークスフェンダーで、今で言うところのブリスター的なものだが、過激さは比べようもなかった。もちろん警察の取り締まりも厳しく、違法改造で切符を切られることは普通だった。
2)オイルクーラー
1970年頃の市販車ベースのレース車両に付いていたのがオイルクーラーで、しかもバンパーの前にむき出しで付いていた。これに当時のクルマ好きが反応しないわけはなく、いわゆる改造車はけっこう付けていたが、ホントにエンジンと接続するのは大変だし、そんなお金もなかった。ということで、本体を付けつつ、ホースはただグリルに差してあるだけというクルマがほとんどだった。
3)つり革
つり革とは、電車のあれ。それをリヤバンパーの下にぶら下げるのが流行った。まったく理解不能だろうが、シャコタンの低さを後続車にわかりやすくアピールするためというのが有力な説だ。日産チェリーのテールランプを斜めにして付けるのとマッチングがよかった。